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2010年J開幕。11年ぶりJ1の湘南と山形の対戦は1-1ドロー・・・

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[3.6 J1第1節 湘南1-1山形 平塚]

 2010年のJリーグが開幕! J1・J2ともに第1節が各地で行われ、神奈川・平塚競技場では11年ぶりにJ1復帰を果たした湘南ベルマーレモンテディオ山形が激突した。ホーム戦で勢いに乗った湘南が前半19分にDFジャーンのゴールで先制したが、同40分にオウンゴール・・・。後半、ともに見せ場は作ったが追加点は奪えず、1-1の引き分けに終わった。

 湘南は昨年のJ2時代と同様の4-3-3システムを採用。GKは野澤洋輔、DFラインは右から阪田章裕ジャーン村松大輔島村毅が入った。中盤はアンカーに永田亮太、2列目に寺川能人坂本紘司。3トップは右から馬場賢治田原豊、新居辰基が務めた。

 対する山形は4-4-2システムを採用。GKは清水健太、DFラインは右から宮本卓也西河翔吾石井秀典石川竜也が入った。中盤はボランチに秋葉勝と佐藤健太郎、攻撃的MFは右に古橋達弥、左に宮沢克行。2トップは長谷川悠と鹿島から新加入の元日本代表・田代有三が組んだ。

 MFアジエル、MF田村雄三、DF小澤雄希、DF臼井幸平らレギュラーをけがなどで欠いた湘南だが、ホームのサポーターの声援を受けて序盤から勢いに乗った。

 前半5分、PA右で新居の落としから馬場がミドルシュートを放つ。同9分、寺川の縦パスに新居が抜け出してシュートを放った。いずれもGK清水にセーブされたが、昨季J2でも見せた縦へ速い攻撃を仕掛けた。

 対する山形は長谷川&田代のツインタワーに期待が集まったが、雨のピッチの影響もあってか、なかなかボールが収まらない。それでも前半11分、左MFの宮沢が強烈なミドルシュート。同16分にもPA内で宮沢がシュートを放った。いずれもGK野澤にセーブされたが、昨年と同様、カウンター攻撃でゴールをうかがった。

 待望の先制点は湘南が奪った。前半19分、湘南はCKのチャンスから、こぼれ球を拾った寺川がPA左の新居に縦パス。これが坂本につながり至近距離からシュート。GK清水がはじいたところをジャーンが押し込んでゴールを挙げた。

 その後も湘南が優位に試合を進めたが、山形も速い攻めでゴールを狙う。前半26分には右からのクロスをファーサイドで宮沢が左ボレー。惜しくもサイドネットだったが、リズムをつかみはじめる。同30分にはPA外右から古橋が強烈なミドルシュート。これをGK野澤がはじき、詰めていた宮沢がシュートを放つが、再び野澤がセーブした。

 一進一退の攻防が続いたが、山形がラッキーな形で同点に追いついた。前半40分、左サイドから古橋がクロスを入れると、GK野澤がパンチング。これが守備に戻っていた田原に当たりゴールイン・・・。湘南のオウンゴールで1-1の同点に追いついた。

 前半はそのまま1-1で終え、ともにメンバー変更なく後半戦に突入した。

 後半、雨も弱まり、両チームともサイドを使って攻撃を繰り出した。だが、ともにゴール前での精度を欠いてネットを揺らせない。

 湘南は後半12分、田原が相手の意表をついて強烈なミドルシュート。GK清水が何とかセーブしたが、ゴールへの強い意欲を見せた。同16分には左CKから永田がヘディングシュート。これは枠を外したが、この時間帯は湘南が主導権を握った。

 最初の交代のカードを切ったのは山形だった。後半17分、期待の田代に代えて北村知隆を投入。北村は右MFへ入り、古橋をFWの位置に。昨季のように長谷川&古橋の凸凹コンビに変えた。この2人の縦の関係が、少しずつ攻撃にアクセントを加えていった。

 湘南も動いた。後半25分、新居に代えて阿部吉朗を投入。同32分には馬場に代えて中村祐也を投入。3トップの両サイドを代えて、ゴールを奪いに行った。

 これが功を奏したのか、サイドの攻撃が再び活性化された。後半36分、縦パスに阿部が抜け出しPA右からシュート。GK清水の好セーブにあったが、らしさを発揮した。

 山形も反撃した。後半38分、右サイドを攻略し宮本がPA中央外にいた長谷川にパス。長谷川は右足でシュートを放ったが、上に浮かしてしまった。湘南も同40分、田原が右からのパスにシュートを放つが、GK清水の好セーブに阻まれた。

 終盤、ホーム戦でもあり何とか勝ち越しゴールがほしい湘南は、得意の速攻を繰り出そうとするが、山形の最終ラインが粘り、バイタルエリアを攻略できない。一進一退の攻防が続いた。

 ロスタイムは3分。山形は秋葉に代えて鹿島から新加入の増田誓志を投入。そのままボランチに入れた。その山形がビッグチャンスをつかんだ。47分、北村が右サイドを攻略し中央へクロス。これをニアでフリーだった古橋がヘディングシュートを放つが、わずかに左に外れてノーゴール。決定機を逃した。試合はそのまま1-1で終了。湘南は11年ぶりのJ1勝利がお預けとなった。

<写真>山形FW長谷川(15番)と湘南DFジャーン(3番)が激しく競り合う
(取材・文 近藤安弘)

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