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仙台、J1復帰戦で因縁の磐田破る

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[3.6 J1第1節 磐田 0-1 仙台 ヤマハ]

 6日、2010年のJリーグが開幕。静岡県磐田市のヤマハスタジアムでは2008年のJ1・J2入れ替え戦を戦った2チームによる「因縁の一戦」ジュビロ磐田ベガルタ仙台が行われ、仙台が北朝鮮代表MF梁勇基の決勝ゴールにより、1-0で勝利。7年ぶりのJ1初戦を白星で飾った。

 ホームの磐田は昨シーズン得点王のFW前田遼一が左太ももの負傷のため不在で、GK川口能活も昨年負った右足骨折から復帰を目指している状況。この日の布陣は4-4-2でGKが八田直樹、4バックは右から駒野友一、加賀健一、イ・ガンジン、そして鹿島から加入の韓国代表DFパク・チュホ。中盤は那須大亮と成岡翔を中央に右が西紀寛、左が船谷圭祐。2トップは韓国代表のイ・グノと水戸から加入した荒田智之がコンビを組んだ。
 昨年のJ2王者・仙台はGKが林卓人で4バックは右から菅井直樹、エリゼウ、渡辺広大、田村直也。中盤は中央に富田晋伍と千葉直樹が入り、右が関口訓充で左が梁勇基。2トップは中原貴之と中島裕希が先発した。

 08年の入れ替え戦出場者の先発は駒野ただ一人だった磐田に対し、仙台はDFエリゼウを除く全員が入れ替え戦の経験者。試合終了間際の猛攻及ばず1-2(2戦合計2-3)で敗れ、J1の壁に崩れ落ちた因縁の地で仙台が試合開始から躍動する。
 先制点はまさに電光石火だった。前半開始わずか20秒過ぎ、菅井が右サイドのハーフウェーライン付近からスローイン。相手DFが対応を誤ったところを逃さなかった中島がスピードを活かして抜け出す。そして送られた折り返しを、2列目から飛び込んできた梁が右足でゴールへと流し込んだ。

 圧倒的にボールを支配する磐田は右サイドの駒野からなどアーリークロスを多用。だが、しっかりと守備を固める仙台はエリゼウと渡辺の両CBが相手のクロスを完ぺきに跳ね返すと、そこから快足FW中島を中心とした素早いカウンター攻撃を浴びせて対抗する。中盤とDFラインとの間のスペースの埋め方がやや曖昧な磐田守備陣の隙を突いてシュートにまで持ち込んでいった。

 磐田は22分、センターサークルでボールを拾った成岡がキックフェイントを交えたドリブルでPAまで駆け上がり右足シュート。これがイ・グノに当たってコースが変わる。GKが弾いたボールを荒田がフリーで押し込もうとしたが、左足から放たれたシュートはゴール右横へと外れた。

 磐田は後半もボールを支配。だが、攻撃のスピードを上げることができず、人数をかけてスペースを的確に埋める仙台の強固な守りを崩せない。それでも磐田は25分、左サイドを突いた船谷の折り返しを中央で受けた荒田が鋭い反転から右足シュート。直後に08年入れ替え戦で3ゴールをたたき込んだMF松浦拓弥を送り込んだ磐田は、27分に松浦のスルーパスから駒野の強烈なシュートがゴールを襲い、さらに29分にはイ・グノの絶妙なラストパスに船谷が走り込むが、仙台はエリゼウの好守でゴールを許さない。

 決定機を作り続ける磐田は31分にも左サイドを突いたパク・チュホからのパスをPAで受けた荒田が決定的な右足シュートを放つが、ボールはポストのわずか右外へ。ディフェンスの集中力が切れない仙台は、この後DF一柳夢吾も投入して1点を死守し、J1復帰戦で因縁の相手から勝ち点3を獲得した。
 
(文 吉田太郎)

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