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日本vsオマーン 試合後の選手コメント

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[6.3 W杯アジア最終予選 日本3-0オマーン 埼玉]

 W杯アジア最終予選は3日、開幕し、B組の日本代表はホームでオマーン代表と対戦し、3-0で快勝した。前半12分、MF本田圭佑のゴールで先制すると、後半6分にFW前田遼一、同9分にFW岡崎慎司が追加点。オマーンの反撃にも冷静に対応し、そのまま無失点で逃げ切り、最終予選初戦を完封勝利で飾った。

以下、試合後の選手コメント

●FW前田遼一(磐田)
―先制点のシーンは?
「みんながいい距離感でできた」
―理想的な形?
「強いて言えば、自分が中に入って点を取りたい」
―得点シーンは?
「(香川)真司がいいボールをくれて、オフサイドかなと思ったけど。最初、ミスをしたけど、入れられてよかった。サイドからのボールには弱いと聞いていたので、狙っていた」
―ゴールでチームに貢献した。
「ちょっとは役に立てたかなと思うけど、その前にヘディングを外していたので」
―ゴールにこだわっていた?
「それを求めて、自分自身やっていた。次もまた取りたい」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―得点シーンは?
「前田さんのシュートがこぼれてきて、前に入れたのでよかった。あそこで決められたのも、最終予選のスタートとして良かったと思う。決められないのと決められたのでは気持ち的に全然違う。ホッとした。でも前半に、いい形で(長友)佑都から(クロスが)来たところは追加点として決めるべきだったと思う。シビアだけど、ああいうところを突き詰めていきたい」
―3-0というスコアでスタートしたが?
「8試合のうちの1試合に過ぎないので、まだまだチームとしても成長するべきだと思う。自分としてもクロスの精度とか、サイドでの崩しの精度を上げないといけない。最終予選のうちの1試合なので、油断も隙も見せることはできない。それはウズベキスタン戦や北朝鮮戦で味わっているので、それをこれからも生かすべきだと思う」
―通算ゴール数が28となり、歴代単独4位になったが?
「結果としてそういう記録に近くなっているというのは、自分としては自信になるし、光栄だけど、自分は味方の選手ありきのゴールだと思っている。味方に感謝しながら、でも自分が決めるべき選手だと思うので、もっと大事な場面で自分が決めたい。これからも点を決め続ける選手になりたい。最後の得点に絡めてはいるけど、まだ数は少ないかなと思う。もっとチャンスを決め切らないといけない」
―オマーンのマークは甘かった?
「相手はかなりルーズでしたね。右に寄っていたので、(香川)真司のほうにマンツーマンで来ていた。俺から見たら、『俺、こんなにフリーでいいのかな』と思うくらい空けられていた。ウッチー(内田)にもすぐいいボールをもらったし、崩すことができた」
―通算得点数の上位3人には釜本さんや原さんといった大柄な選手が多いが、小さい選手でもこんなに決められるというところを見せられたと思う?
「今日みたいなゴールも、あそこに詰めているから取れたという自信がある。そういうところを突き詰めれば、これだけゴールを取れるということを見せていければ、見てくれている小さい子に勇気を与えられると思う」
―試合の入り方が非常に良かったが、試合の準備で良かったことは?
「やっぱりアジア杯も経験していて、3次予選の北朝鮮戦とウズベキスタン戦もあったから、ピリッと入ることができたと思う。それと、足元じゃなく、常に裏を狙っていたから、相手も引いていった。それによって足元でもらえるようになったと思う。折り混ぜていくことが重要だと思う。パスを優先させずに仕掛けることもできたし、そういうプレーが必要なのかなと思った」
―攻撃陣の連係は?
「大きい選手は前田さんしかいないので、前田さんが引きつけたところに入っていくということができたと思う。1点目もそうだったし、俺のチャンスもそうだった。前田さんや自分が引きつけて裏が空くとか、そういうのが自然にできていたのが良かった」
―クロスに対する動きも良かったのでは?
「自分の特長は逆サイドで持ったときに入り続けること。今日は右からも左からも攻撃できたのが良かった。徐々にウッチーとのタイミングもよくなってきたし、ウッチーが上がれば俺がフリーでもらえたりもしている」
―監督には何か言われた?
「斜めの動きが良かったと言われた。それは自分の特長でもあるので、続けたいですね」

●FW香川真司(ドルトムント)
「チームとしてすごく良いスタートが切れたと思うし、あの時間で点を取れて、すごく試合に入りやすかったと思う」
―相手の右サイドの裏を突けた?
「いや、逆に今日は僕らの右サイドを中心に攻撃を組み立てていたと思うし、そこでうまくSBとかSHが攻め切れていた。ボランチも絡めて起点になれていた。こっちの左サイドは苦しい時間帯が続いていた。(長友)佑都が何回かオーバーラップして良い形はつくれたと思うけど、単発の攻撃が多かったかなと思う」
―2点目のアシストは?
「カットインして、中に行ったときに岡ちゃん(岡崎)だったり(前田)遼一さんが入り込むというのは練習からやっていた。よく決めてくれたと思うし、そこに出しただけなので。前半からああいう形をもう少し狙っていけたらよかったのかなと」
―後半の開始前に本田と話していたが?
「前半はポジションの問題で難しさを感じていたので。関係なくどんどん動いてやっていこうというのは話した。その中でバイタルにボールを入れたかったので。そこでもっとボールや味方が入りこんでいかなければいけなかった。あそこの位置でボールを受けられなかったので。あそこでボールを受けられればもっと良さが生きると思うし、そういう意味ではちょっと物足りない」
―ここまでゴールを求めてきたが?
「単純に悔しいし、シュートチャンスもあまりなかったから。なかったと言うとあれですけど、ものにできなかった自分が悪い。そういう意味では僕としては悔しいですね」
―自身の出来は?
「良くないと思いますね。あと2試合あるので、改善できるところはして、今日は相手もハードに前半から佑都と俺のサイドは来られていたから。効果的な攻撃は何本かあったけど、僕自身もっとボールに絡んでいく回数を増やしていかないといけない。もっと自分はできると言うと変ですけど、物足りないと思っていますし、もっとボールに絡んでいきたい」
―点には絡めたが?
「僕はこういう試合でもっと結果を求めたいし、ましてやシュートをもっと打たないと始まらない。そこ(ゴール前)に入っていくタイミングであったり、(パスの)呼び込みであったりが必要になってくると思う。今日は前線の3人がしっかり結果を残したし、僕自身はすごく悔しさが残る結果となったので。ただ、チームが勝ったのはポジティブに良かったことなので、それは次につながる。個人で出た課題は修正しないといけない」
―ドルトムントとは違うやりにくさがある?
「代表は代表で、ドルトムントはドルトムントだと思っているので。選手もまったく違うし、そういう意味では比較することではない。ましてやポジションも違いますから。左サイドで張ったときに、いかに自分の良さを出せるか、味方に見てもらえるか。もっともっとチームメイトと連係してやっていく必要がある。今日はどちらかというとチャンスメークというか、サイドに(パスを)散らしてやっていたイメージがあるから、もう一個前でボールを呼び込んで受けられるか。そこがすごく足りなかった」
―1点目の崩し、前田へのアシストもあったが?
「僕はあそこでチャンスメークする選手ではないですからね。もう一つ前でやりたかった。得点につながる形として良かったと思うけど、効果的に入っていく姿勢が大事になってくると思う。もう一個入っていくところで今日は入っていけなかった。次はもっと僕らしいプレーができるようにやっていきたい」

●FW清武弘嗣(C大阪)
「絶対決めないといけないところがあったので、そこで決められなかったことがすごく残念ですし、申し訳なかった。3点あったのでしっかり守備から入ろうと思って、チャンスがあれば決めようと思っていた。残念です」
―交代のときの指示は?
「(相手が)4-4-2に変更していたので、コンパクトな守備から入るというのは言われた。(終わったあとは)もっとスピーディーにボールを動かして、パスを出して動くということを繰り返していいよと言われたので、次の試合に生かしたい。ゴールを決められたら良かったけど、決められなかったので良くなかった」
―GKがうまかった?
「いや、でも止めやすいコースに打ちましたから。力が入りすぎました。次に切り替えます」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「厳しい試合になるのは予想していた。満足できる部分もあるけど、まだまだな部分もある。それはみんなが感じたと思う。勝ち点3を取れて、次の試合に向けていい準備をして、そこで(ヨルダンに)勝てれば、いい形でオーストラリアに入れる。イメージとしてはそう」
―満足はしていない?
「最後、3-0になって、相手にボールを持たせている時間もあった。4点目を狙う、常に自分たちでボールを保持する。そういうチーム全体のスタンスが足りなかった。高い位置で効果的にボールをもらえることは少なかったかなと自分では思っている。アウェーでオマーンと対戦するとき、『もう日本とやりたくない』と思わせるぐらいにできたと思う」
―早い時間に先制点を取れた。
「大きかったですね。僕自身にとっても大きかったし、チームにとっても少し力を抜くことができたんじゃないかと思います」
―最終予選の初戦を終えたが?
「初戦ということで、どこか固さはあったと思う。いつもと違う動き方をしたり、一歩遅れたり。そういうシーンが何度か見られた。それは固さ。初戦だからか、そういう硬さがあった。僕自身も固さは割とありましたから」
―試合は支配していたが?
「試合前から長い時間ボールをキープすることになると思っていたし、先制しなければいけないと思っていた。それが実際にできて、結果を出すことができたと思う」
―合宿で共通理解ができた?
「合宿ができたことは良かったけど、もっと時間が必要。もっと良くなると思うし、さらに成長するためにも、みんなで協力しないといけない」
―監督から後半に向けて指示があった?
「監督はもっといってほしかったみたいですよ。このチームはこんなもんじゃないというのを意識してると思う」
―トップ下として新たな存在感を示せた?
「試行錯誤しているところはなくて、しっかり自分が出た試合には勝って、自分が得点に絡むことだけを意識している。そこのクオリティーと回数を増やす。自分の目的は明確で、すごいシンプル」
―抜け出したシーンもあったが?
「あそこはもっともらいたいところだけど、難しいですよね。相手が強くなればなるほどプレッシャーもかかってくる。自分があそこでもっとタイミングよくもらえればとは思っている」
―ヨルダン戦に向けては?
「もちろん勝ちにいくけど、簡単な試合にはならない。いい準備をしないといけないと思う」
―今日の結果が次につながる?
「今日は少し緊張感があったと思う。次の試合はもっとリラックスして臨みたいし、今日の試合に勝てたことでそれができると思う」
―首位で突破できる?
「それは分からない。でも、次の試合に向けて集中して準備をして、自信を持って臨みたい」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「いい時間帯に点を取れた。10分くらいで点を取れたので、そこから自分たちでパスを回して、焦らずにできた。いいタイミングで仕掛けられた。立ち上がりも良かったけど、先制点の時間が良かったですね」
―オマーンの守備はどうだった?
「それなりに引いてブロックをつくってやっていたけど、ルーズだった。しっかり人に付けていなかった。そんなに引いて守られているという感じはしなかった」
―12番はもっとがっちりマンツーで来ると思った?
「彼は真ん中のスペースを埋めてくる選手ということが分かっていたし、(本田)圭佑が左右に動けばそこについてこないということも分かっていた。そのへんは話しながらやろうかなと言っていた。ただ、圭佑にボールが入っても意外とそこまで激しくは来なかった。引いてはいたけど、組織立っていたかというと、相手はそうでもなかった」
―3-0という結果は満足できる?
「正直、もうちょっといけましたね。あと2、3点は取らないといけなかったと思う」

●DF長友佑都(インテル)
「相手の右サイドをどんどん突いていこうと。(香川)真司とやれば崩せる自信があった。僕と真司にはマンツーマン気味に付いてきていたけど、走力には自信があったので、『フィフティフィフティなら出してくれ』と真司にも(本田)圭佑にも伝えていた」
―先制点のアシストの場面は?
「いい形で抜け出して、いいボールを供給できた。圭佑もよく決めてくれたし、よかったと思う。相手の守備が整う前に崩し切れた。理想の形だった。監督からも『相手の右サイドを突いていけ』と昨日も言われていたし、今日の試合前にも言われた。真司もいるし、圭佑とかヤットさん(遠藤)が絡んだり、自信を持ってやれた」
―後半はバランスを取った?
「後半は相手も裏のスペースを埋めてきた。勝っていたし、カバーとか1対1に専念した。相手はシュートゼロだったんですかね(実際には1本)。すごくいい守備ができたと思う。でも相手がもっと強くなると、ちょっとの隙を狙われる。修正してやっていきたい。僕らは最終予選を突破するのもそうだけど、世界で通用するサッカーを目指している。それを考えると、まだまだ。すべての質が世界とは差がある」

●DF内田篤人(シャルケ)
―裏を狙っていた?
「1回、(香川)真司がオフサイドになったけど、裏は練習していた。前田さんの2点目とか、ああいう形。斜めに入れる練習はしていたので。中東の選手は体があるので、ポストには強いけど、裏は……。僕自身、そういうイメージもあったし、練習もしていた。カウンターもそんなになかったし、バランスよく、準備してきていたことができたと思う」
―早めに1点取れたのが大きかった?
「今までの予選でもジリジリという試合が何回かあった。点を取れば落ち着いてできる感じはあった。1点入って慌てる必要もなくなったし、変にバランスを崩すこともなかった。相手のセットプレーでも危ないシーンはあったっけってぐらい。準備していることが少しずつ試合に出せるようになってきたと思う」
―途中交代だったが?
「(前半30分に)イエローカードが出ていたので。(警告の前に)1回、注意があるからなと思ったけど、出ちゃった。酒井クンもいいし、刺激があって、楽しくなってきた。ドイツでスタメンで出ていなかったときもそうけど、ライバルがいた方がいいなって。のんびりやっちゃうタイプだから」
―あえて課題を挙げると?
「後半は相手に回されるところもあった。3点取っていたし、逆に回すぐらいじゃないと。でも失点はゼロだし、それは続けていきたい」
―3次予選の最後は連敗だっただけに初戦の勝利は大きい?
「勝ったら『引き締めてやる』って言うだけだし、負けたら『切り替えてやります』って言うだけで、あんまり変わらないけど。うまくいきすぎてコロッと負けるよりはいい。苦労していった方が、経験上いい。でも8分の1が終わっただけなので」

●DF酒井宏樹(柏)
「親善試合とは違うし、思ったより緊張した。課題は分かっている。あれだけチャンスをつくってもらったのに得点にならなかったのは課題。崩しに加わったり、中の景色も見えていた。緊張が取れれば、いいクロスも入る。そういう意味では貴重な経験になった。フリーになるために相手をはがして、自分からアクションを起こせた。そういうのがチームメイトに伝わったのはよかった。サイドは結果を残してこそ。最後、しっかり仕事をしたかった」
―内田が「ライバルがいた方がいい」と話していたが?
「(試合の)最初から出る難しさは知っているし、最初から出ている内田クンと、途中から出た自分とは比較できない」

●DF吉田麻也(VVV)
―今日はうまくゲームをコントロールした?
「守備では90分を通して集中しないといけないと思っていた。オマーンはカウンターを狙っていたので。だから俺は常に今ちゃん(今野泰幸)と話をしました。特に攻撃をしているときに。それが90分間できたので、今日は良い試合ができたし、相手のカウンターを止めることができて、3点を取ることができたと思う」
―良い準備ができていた?
「この試合の前に10日間ほどトレーニングできていたので。良いコミュニケーションを取ることができたと思うし、この試合に備えることができた。試合への難しさを感じていなかった」
―自信を持って次のヨルダン戦に臨める?
「この予選で最も難しい試合に勝つことができたから自信はあるし、次の試合に向けて多くの選手がリラックスして臨めると思う。でも、ヨルダンは簡単な相手ではないので、今日のようなプレーを続けないといけないと思う」
―ヨルダンとオマーンの違いは?
「まだ分からない。この試合に勝つことに集中していたので、ヨルダン戦のことを考えるのはこれから」
―アジア杯で戦ったけど?
「いい試合ではなかった。アジア杯で最初の試合だったし。でも、今回はホームで戦えるし、ゴールする機会もあると思う。問題はないと思う」
―本田が戻ってきたことは?
「強いメンタリティを持っているし、チームを助けてくれる。特にボールをキープすることができるので、SBがより深い位置に進入できるし、得点するチャンスを増やしてくれる」
―無失点については?
「それがDFにとっては一番大切なこと。驚きではないし、目立つことではないかもしれないけど、とても重要なことだし、続けていかないといけない」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、河合拓)

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