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大宮、新指揮官見守る中で初勝利

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[6.6 ナビスコ杯GL第5節 大宮1-0神戸 NACK]

 ナビスコ杯は6日、グループリーグ第5節を行い、NACK5スタジアム大宮(埼玉)ではグループA6位の大宮アルディージャと最下位のヴィッセル神戸が激突。大宮がMF青木拓矢の決勝ゴールによって1-0で勝ち、今季のナビスコ杯初勝利を挙げた。神戸は4連敗で敗退が決定。勝利した大宮もグループ2位以内の可能性がなくなり敗退が決まった。

 ともに未勝利でで監督交代から日の浅いチーム同士の一戦。4日に新監督就任が発表されたズデンコ・ベルデニック氏がスタンドから見守る中、岡本武行監督代行が指揮を執る大宮は4-5-1システム。GKは江角浩司で4バックは右から渡邉大剛深谷友基菊地光将下平匠。中盤は青木拓矢カルリーニョスのダブルボランチでトップ下が東慶悟。両ワイドは右サイドがチョ・ヨンチョルで左が金久保順、1トップにはラファエルが入った。

 一方、5月26日のJ1鹿島戦に続き、西野朗監督体制で2戦目の神戸は4-4-2システム。GKは徳重健太で4バックは右から奥井諒北本久仁衛イ・グァンソン相馬崇人。中盤は田中英雄三原雅俊のダブルボランチで右MFが小川慶治朗、左MFが大久保嘉人。2トップはやや下がり目に位置する野沢拓也森岡亮太とコンビを組む形となった。

 ホームの大宮が新指揮官の前で集中力の高い90分間を披露し、今季のナビスコ杯初勝利を挙げた。ともに素早いプレスからグラウンダーのパスワークで相手ゴールを目指した両チーム。前半は互いにミスからピンチを招くシーンが目立った。だが、よりミスで流れを止めてしまっていたのは神戸の方。大久保が局面で巧さを発揮したほか、15分にショートパスをつなぎ三原が右足シュートへ持ち込み、20分には右サイドから仕掛けた奥井が左足シュートへ持ち込む場面もあった。だが、全体的にミスパスが目立ち、なかなか攻め切ることができない。

 また持ち味のプレスの迫力も欠いていた神戸に対し、新監督の前で気合十分の大宮が先にスコアを動かした。クロスの精度を欠く場面こそあったものの、運動量の多かった東やカルリーニョスが中盤で存在感を放ち、右サイドからチョ・ヨンチョルが積極的に仕掛けた大宮は32分、カウンターから右サイドを抜け出したチョ・ヨンチョルが相手DFのスライディングタックルをかわして一気に突進。ゴールライン際まで駆け上がって上げたクロスは神戸GK徳重にクリアされたが、走りこんでいた青木がこぼれ球を左足ダイレクトで合わせて先制ゴールを決めた。

 ハーフタイムに西野監督から「自分たちのパスミスからやられている。自信を持っていけ!」と喝を入れられた神戸は後半、流れを取り戻し、プレスの厳しさも増した。10分には左サイドの相馬の折り返しから三原がシュートへ持ち込み、23分には右サイドを駆け上がった奥井の決定的なラストパスに小川が飛び込んだ。だが神戸は反撃ムードを1プレーで萎ませてしまう。25分、わずか6分前に投入されたばかりのFWペ・チョンソクが、カルリーニョスに対して両足でタックルに入ってしまい一発退場。大宮は東の決定的な左足シュートがクロスバーを叩くなど追加点を奪うことができなかったが、数的優位を活かして試合を押し切った。

 ヒーローインタビューで青木は「今は監督にもアピールしなければいけないし、みんな気持ちが入っている。それがいい方向へ向かえばいい」。大宮にとって新たなスタートとなる一戦で勝ち取った勝ち点3。9日の清水戦も岡本監督代行が指揮を執り、ベルデニック監督の初陣は16日のJ1柏戦となる模様だが、この勝利を弾みに現在15位のJ1でも巻き返していく。

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