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今季初ゴールで決勝点の横浜FM・兵藤「イメージをそのまま出せた」

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[6.16 J1第14節 F東京0-1 横浜FM 日産ス]

 会心のゴールだった。今季、13節を終えて無得点だった横浜F・マリノスのMF兵藤慎剛は「ずっと取れていなかったので、やっと取れたなっていう感じです」とFC東京戦で挙げたシーズン初ゴールに、安堵の表情を浮かべた。

 前半31分、MF中村俊輔が左サイドからマイナス気味に蹴ったパスを、兵藤はスルーする形で前線に抜け出した。ボールを受けたMF富澤清太郎は、ダイレクトでF東京の最終ラインの裏を取った兵藤にスルーパスを出すと、兵藤は左足でゴールネットを揺らした。

「(中村)俊さんの横パスの段階で、寛平さん(冨澤)に渡った時に『3人目の動きで飛び出して行けば、これは(パスが)出て来るな』と思って、出て行きました。寛平さんのパススピードもすごく良いボールだったし、自分のトラップも完璧だったので。ボールが来る前にイメージしていたことを、そのまま出せたから良かったなと思います」と、得点場面を振り返った。

 この試合、兵藤は何度もF東京の最終ラインの裏を取っている。先制点から4分後、自身が「あれはボールを浮かすなりして、決めなければいけなかった」と反省したシュート場面でも、最終ラインの裏を取り、GK権田修一と1対1の局面をつくった。

 イメージが出来ていた理由の一つが、現在、ウクライナとポーランドを舞台に行われているEURO2012だ。

「EUROとかを見ていても、間、間をとおして、ファーストタッチでスペインとかは突破している場面が多いので。ゴール前のトラップは大事だなと感じていたことが実戦で出せてよかったです。でも、練習中からああいうパスを受けることは狙っていますし、それが実戦で出せたっていう得点でした」

 良い手応えがある一方で、チームとしての課題も口にする。

「決められるところを決めていれば、前半だけで3点くらい入っていてもおかしくなかったし、自分たちの支配できる時間をもっと長くできれば、もっと上位に行けると思う。今日のプレーはチームのベースだと考えて、最低限これくらいのプレーが毎試合できるようにやっていきたい」

 この試合に勝ち、チームは3試合連続無失点、7試合無敗と勢いに乗っている。シーズン初ゴールを挙げた兵藤も、チーム同様に加速しそうだ。

(取材・文 河合 拓)

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