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敵地で勝ち点1をつかんだ福岡FW坂田「ゴールも増えてくると思う」

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[6.24 J2第21節 横浜FC 1-1 福岡 ニッパ球]

 アビスパ福岡にとって、前半は難しい試合展開となった。その要因をMF鈴木惇は「相手がプレスを嫌って、長いボールで逃げてきていた。そこの処理で後手を踏んでいたことでリズムをつくれなかった」と語る。実際に24分にはPKから先制点を与えてしまい、リードを許してしまった。その後も前半はFW坂田大輔の裏に抜ける動き以外は、チャンスらしいチャンスをつくれなかった。

 それでも、後半は自分たちの時間をつくり出した。その点について、FW高橋泰は「岐阜戦(0-0)で出た問題点をある程度、修正することができました」と手応えを口にする。その一つが、前線から積極的に前に出て行くプレッシングだ。後半29分、一度はボールを失った高橋がプレスを掛けてボールを奪い返すと、前線の坂田につなげる。坂田もPA内の右サイドで一度はDF阿部巧にボールを取られたが、即座にボールを取り戻す。そこからの折り返しを、ゴール前に走り込んでいた高橋が決めて、同点に追いつくことに成功した。

「坂田が右サイドでキープして、前に詰めても良かったのですが、DFがコースをしっかり切っていたので、マイナスのボールを呼んだら、すごく良いタイミングで出してくれた。シュートを打つのに優しいボールが来たので、ダイレクトで枠に入れることだけを考えて蹴りました」と高橋は、得点場面を振り返った。

 攻撃から守備への切り替えは、今シーズンの福岡が取り組んでいることだと、高橋は説明し、「自分がボールを失ってからのプレーだったので、ボールにも近い位置にいたので、良い切り替えができて良かった」と喜んだ。

 高橋のゴールをアシストした坂田も、「今週は練習から縦への意識をすごく強調してやっていたので、自然と体が動くような部分もありました。自分が1対1を外した場面も、なかなか今シーズンのアビスパでは、ああいうGKと1対1になるようなシーンはなかったので。ああいう回数を増やせれば、自然とゴールも増えてくると思います」と納得の表情を見せた。

 リーグ戦は、この試合で前半戦を終えた。坂田は「順位は不甲斐ないですけど」と前置きしつつも「まだ半分あるから焦る必要はない」と言い切る。

「これから勝ち点3を積み重ねないと上にはいけないので、今日の試合もそうですけど、こういう接戦を勝ち切ることが必要。チームとして引き分けが非常に多いし、それを勝ちにつなげないといけない。それはFWの責任でもある。失点は少なくなってきているので、後ろの頑張りに応えないといけない」

 勝ち切ることはできなかったが、難しい時間帯も最少失点に抑えて、チャンスをつくり、引き分けに持ち込んだ。この試合で得た好感触を、次につなげられるか。後半戦はすぐ1週間後に始まる。

(取材・文 河合拓)

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