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柴田2発!田中陽4戦連発!ヤングなでしこが日韓戦制し初の4強へ

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[8.30 U-20女子W杯準々決勝 日本3-1韓国 国立]

 ヤングなでしこが新たな歴史をつくった。U-20女子W杯は30日、準々決勝の2試合を行い、U-20日本女子代表(ヤングなでしこ)はU-20韓国代表と対戦。MF柴田華絵が2ゴールを挙げると、MF田中陽子も4戦連発今大会5点目となる追加点を決め、3-1で快勝した。10年のU-17女子W杯決勝でPK戦の末に敗れた韓国とのリベンジマッチを制し、初のベスト4進出が決定。日本は9月4日の準決勝でドイツ対ノルウェーの勝者と対戦する。

 初の準決勝進出を目指す日本は26日のグループリーグ最終戦・スイス戦(4-0)から先発3人を変更。DF高木ひかり、MF藤田のぞみが2試合ぶりに先発し、FW西川明花が今大会初先発となった。GKは池田咲紀子、4バックは右から高木、土光真代木下栞浜田遥。中盤は猶本光と藤田のダブルボランチで、右に田中美南、トップ下に柴田、左に田中陽が入り、西川が1トップを務めた。

 試合は序盤から激しい点の取り合いとなった。日本は前半8分、田中陽からパスを受けた西川のスルーパスに柴田が反応。前に飛び出してきたGKよりも一歩早く追いつき、無人のゴールへ押し込んだ。グループリーグ初戦・メキシコ戦(4-1)以来、3試合ぶりとなる柴田の今大会2点目で先制したが、韓国も直後に追いつく。カウンターから左サイドを突破したFWイ・グミンの折り返しをFWチョン・ウナがヘディングで押し込んだ。

 先制しながら7分後に追いつかれたヤングなでしこだが、気持ちを落とすことなく果敢に2点目を狙う。前半17分には西川、猶本が積極的にミドルシュート。すると同19分、田中美からの横パスを受けた柴田がPA手前から迷わず左足を振り抜く。豪快なミドルシュートは左ポストを弾いてゴールに吸い込まれ、勝ち越しゴールとなった。

 失点からわずか4分で2度目のリードを奪った日本だが、韓国もすぐに反撃に出る。前半31分にはショートコーナーからMFイ・ヨンジュが低いクロス。こぼれ球を狙ったMFチェ・ユリのシュートをGK池田が弾くと、これにイ・グミンが詰めたが、シュートはゴールラインぎりぎりで浜田がクリアし、何とかピンチをしのいだ。

 韓国は前半34分、MFイ・ジョンウンに代えてFWムン・ミラを投入し、早くもカードを切る。それでも日本は落ち着いて対応。積極的に追加点を狙うと、前半37分、右サイドの高い位置でボールキープした田中美からオーバーラップしてきた高木にパスが渡る。高木はゴールライン際までえぐってマイナスのクロス。ニアで西川がつぶれ、ファーサイドでフリーの田中陽が冷静に右足で押し込んだ。

 田中陽の4戦連発となる今大会5点目で3-1と突き放した日本は前半終了間際に右SBの高木に代えてDF中村ゆしかを投入。2点のリードで後半に折り返した。後半に入ると、徐々に韓国がポゼッションを高めるが、日本も粘り強く守る。後半16分には浜田に代えてFW横山久美を投入。横山は左サイドハーフに入り、田中陽が左SBにポジションを下げた。

 蒸し暑いピッチの上で徐々に運動量を奪われながらも集中力を保つヤングなでしこ。体を張って韓国の攻撃を跳ね返し、カウンターから試合を決定づけるダメ押しゴールを狙った。日本は後半41分、西川に代わってFW道上彩花を投入し、最後のカードを切る。前線からの運動量を強化し、逃げ切りを図るヤングなでしこはそのまま2点リードを守り抜き、3-1で勝利。日韓戦を制し、U-20女子W杯で史上初となる準決勝進出を果たした。

(取材・文 西山紘平)
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