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大宮が塚本に捧げる3発快勝! C大阪は香川&乾が不発・・・

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[3.7 J1第1節 大宮3-0C大阪 NACK]

 Jリーグは7日、第1節の2日目を行い、埼玉・NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャと4年ぶりにJ1昇格を果たしたセレッソ大阪が対戦した。大宮は前半にMF橋本早十のCK直接弾、FW石原直樹のゴールで2点を先行。さらに後半、大宮はエースのFWラファエルが加点し、3-0で勝利した。C大阪は復帰戦を白星で飾れなかった。

 選手を大幅に入れ替えた大宮だが、システムは昨年と同様4-4-2を踏襲。GKは北野貴之、DFラインは右から杉山新深谷友基マト村上和弘。中盤はボランチが金澤慎とアン・ヨンハ、右MFが藤本主税、左MFが橋本早十。2トップは石原直樹とラファエルが組んだ(※選手の前所属は名鑑でチェック!!)。

 対するC大阪も選手が入れ替わった。システムは3トップ気味の3-6-1。GKは松井謙弥、3バックは右から茂庭照幸羽田憲司上本大海。中盤はボランチがアマラウとマルチネス、右MFが高橋大輔、左MFが尾亦弘友希。3トップ気味の前線は右から乾貴士、アドリアーノ、香川真司が入った(※選手の前所属は名鑑でチェック!!)。

 試合前、癌(がん)の一種である骨肉腫の病にかかっているDF塚本泰史が、ピッチでサポーターに挨拶。涙ぐむ塚本の姿で会場全体が「塚本の分も」という雰囲気に包まれる中、大宮が序盤から主導権を握った。

 エースのラファエルのポストプレーから、藤本や石原が積極的に絡み、攻撃を仕掛ける。サイドバックの杉山、村上も果敢にオーバーラップを繰り返し攻撃に厚みを持たせた。

 前半5分、大宮はPA内右でラファエルがパスを受け、ターンして左足シュート。さらに同9分には杉山がPA内に突進し右足でシュート。いずれもゴールは割れなかったが、圧倒的にボールを支配した。

 そして前半14分、大宮が先制点を奪った。右CKのチャンスでキッカーの橋本早十の左足のキックが、ファーサイドのネットにそのまま突き刺さりゴール。ラッキーな形で大宮が1-0のリードをつかんだ。

 対するC大阪は雨のピッチの影響もあってか、香川&乾の日本代表コンビにいい形でボールが入らない。入ってもドリブルに切れがないうえ、大宮のDF陣が激しいマークを展開し、自由にやらせてもらえなかった。

 前半、C大阪の唯一の見せ場は27分。アマラウの縦パスに乾が抜け出し、ワンタッチパスで並走していたアドリアーノへ。新助っ人FWがドリブルで突破し左足でシュートを放ったが、ゴールを割ることはできなかった。

 その後も、大宮はラファエルのキープ力、スピードが効いて試合を支配。C大阪は守勢に回った。それでもC大阪は前半43分、右サイドからのクロスに、ファーサイドで香川が何とか追いつき右足を合わせる。しかし、ほぼタッチライン際と角度がなく、ゴールを決めることはできなかった。

 その1分後、大宮が追加点を奪う。右サイドで藤本の浮球パスにラファエルが抜け出し、ドリブルでPA内に突進。マークに来た上本を巧みなドリブルで交わして中央へラストパス。これを石原直樹がきっちりと押し込み、前半を2-0リードで終えることに成功した。

 後半、依然と雨が降りしきる中、互いに闘う姿勢を見せた。C大阪も前半よりはリズムを取り戻すが、ゴールは遠い。それでも後半17分、マルチネスが約25mの距離から豪快なミドルシュート。GK北野の正面だったが、必死さをみせた。大宮は前半同様、ラファエルを中心に攻撃を組み立てる。サイドをうまく使い、速い攻撃で攻めようとした。

 後半22分、最初にC大阪が動いた。DF上本に代えてG大阪から新加入した元日本代表FW播戸竜二を投入。システムを4-4-2にし、播戸とアドリアーノの2トップに変更。乾と香川が攻撃的MFに入った。対する大宮も後半29分、橋本に代えて内田智也を投入した。

 C大阪は播戸のスピードを生かして攻めようとするが、大宮が持ち前の堅守を発揮。ゴールを割らせない。そして後半37分、大宮がうれしい追加点を奪った。PA正面やや右でFKをゲット。これをマトが強烈な勢いのボールで直接狙うと、クロスバーに直撃。その跳ね返りをエースラファエルが素早く反応して右足でシュートを決め3-0と突き放した。

 その後は大宮が得意の守備でC大阪の反撃を防いだ。激しくファイトし、奪ってはサイドを起点にカウンターを仕掛けた。しかし、ロスタイム、大宮にアクシデントが生じた。ラファエルが左サイドをドリブルで突進中、接触プレーでもないのに、いきなり転倒。右太ももの裏あたりを押さえて倒れ込んだ。試合は直後に終了。3-0で大宮が勝利した。藤本ら一部選手は塚本のことを思ってか、ピッチの上で涙。感激、感動の勝利となったが、エース・ラファエルの状態だけが心配される。

(取材・文 近藤安弘)

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