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W杯監督インタビュー:アルジェリア監督ラバ・サーダン

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W杯出場国の監督インタビュー第2回はアルジェリア代表を率いるラバ・サーダン監督。

今年63歳のベテラン監督ラバ・サーダンは、アフリカサッカー界の風雲児と言える。1980年代、「砂漠の狐」と称されたアルジェリア代表をW杯に導いたのはまさにこの監督であった。あれから20年あまりの間に、アルジェリア代表の監督は何度か更迭を繰り返したが、サーダンのような成績を収めた者はいなかった。07年、サーダンは瀕死のアルジェリア代表を救う使命を受け、監督を引き受けた。2年後、サーダンは当初の約束を果たし、アルジェリア代表を3度目のW杯出場へと導いた。

─アフリカの古豪であるアルジェリア代表が24年ぶりのW杯再出場を果たしました。Cグループで、イングランド、アメリカ、スロベニアと対戦することになりました。
「Cグループでは苦戦が予想されます。いずれもビッグゲームの経験が豊富な代表ばかりですし、イングランドにはファビオ・カペッロのような名物監督がいます」

─そうしますと、イングランドが最も強敵だとお考えですか?
「そうです。イングランドは毎回決勝トーナメントに進み、最後まで残るチームですし、選手一人一人の実力も高く、カペロを監督に迎えたため代表に活気があります」

─アメリカ代表やスロベニア代表のレベルについては、いかがですか。
「アメリカ代表は実力あるチームです。09年のFIFAコンフェデレーションズカップでスペイン代表に勝って決勝戦に進出したことが彼らの実力を証明しています。Cグループではイングランドとアメリカが優勢にあると思います。我々としては全力を尽くさなければグループリーグ突破は望めません」

─今年初めに開催されたアフリカ・ネイションズカップ(アフリカ選手権)では、アルジェリア代表の成績はあまり芳しくありませんでした。特に最初の試合では、格下のマラウイ代表に0-3の成績で完敗してしまいましたが、その原因についてどうお考えですか。
「確かにあの試合ではマラウイ代表が主導権を握っていました。0-3という結果で負けたことは、アルジェリア代表のサポーターにとっては拭い去れない屈辱でした。代表全員が全国民に謝りました。アルジェリア代表の選手は主にヨーロッパのクラブチームに所属しており、ヨーロッパの気候に慣れてしまっていたことが原因ではないかと思います。このほか、(暑さの厳しい)午後3時のキックオフだったのですが、試合時間についても、その後、アフリカサッカー連盟に対し、試合時間の調整を申し入れました」

─これまでに発表した30名のW杯出場候補メンバーには、海外でプレーしている選手がほとんどを占めていますが、もう既にスターティングメンバーの構想ができているんじゃないでしょうか?(インタビューは最終23人発表前の5月に実施)
「選手を選ぶのは非常に頭の痛い問題です。アフリカ選手権で準決勝に進出したあの先発メンバーのまま行こうかと考えているくらいです」

─W杯を控えて、スーパースターであるジネディーヌ・ジダン(元フランス代表だがアルジェリア出身。現アルジェリア代表にはユース年代ではフランス代表としてプレーし、のちにアルジェリア代表を選択した選手が多数いる)氏がアルジェリアサッカー協会との間で、イングランド、アメリカ及びスロベニア代表の試合や選手に関する情報を収集することで合意したという話を聞いていますが?
「我々はジダンと電話で話し、同グループの相手の強みや弱点に関する情報を得ました。ジダンはこのような役割を果たしてくれましたが、彼がアルジェリア代表の試合を観戦するのは監督席ではなく、応援席からです(笑)」

─W杯の予選に参加したアルジェリアの代表選手は、たとえ最終の23名出場メンバーから漏れた場合でも、全員が南アフリカに行けるという話を聞きましたが?
「我々がW杯に参加できるのは、多くの選手の努力の賜物です。予選に参加したものの最終出場メンバーに漏れた選手についても、このような方式で敬意を表したいのです」

<写真>アルジェリア代表を率いるサーダン監督

(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

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