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W杯監督インタビュー:イタリア代表マルチェロ・リッピ

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W杯出場国監督インタビュー第12回目は前回覇者イタリアを率いるマルチェロ・リッピ監督。

─イタリア代表は前回大会優勝チームです。今大会で2連覇の確率はどれくらいだと冠が手いますか?
「W杯南アフリカ大会の開催が間近に迫っていますが、イタリア代表はW杯になくてはならないチームです。これまでW杯で4回優勝していますが、これは5回優勝しているブラジルに次ぐ成績です。94年のPK戦では、運がよければ5回優勝していたのはむしろ我々のほうです。イタリア代表が2連覇を果たしたのは、1934年と1938年のこと。当時の監督はヴィットリオ・ポッツォです。彼の神業を再現することを夢見たことはありませんが、南アフリカでは依然としてチャンスがあると思っています。もし、W杯2連覇が100年に1度しかないと言うのならば、我々の前にたちはだかる困難は非常に大きいと言わざるを得ませんが、どんなことでも絶対と言うことはありません」

─では、W杯で勝利を収めるキーポイントは何でしょうか?
「それは技術力が高く精神力の強い選手を多く集めることができるかどうかという点です。我々は技術力の優れた選手をたくさん擁しています。例えばジャンルイジ・ブッフォンファビオ・カンナバーロ、他にもフランチェスコ・トッティアレッサンドロ・デル・ピエロがいます。若い選手だけに頼るのではW杯で勝ち進むことはできません。今回のW杯ではこの言葉が正しいかどうかが証明されると思います。W杯では数週間の間に7試合を消化しなければなりません。ですから、経験が浅い平均年齢24歳以下のメンバーは必要ありません。選手の実力は年齢ではなくテクニックで決まるのです(インタビュー後のメンバー発表でトッティとデル・ピエロは落選した)」

─イタリア代表メンバーには異議を唱える人もいますね?
「私が選んだ選手の多くは、これが最後のW杯になります。選手のフィジカルの強さ、コンディション及び個々の特徴という3つの点を選抜の基準としています。ネームバリューや個人的な能力のみを重視するのではなく、一つのチームを構成するに相応しい、チームワークに優れた選手を重視しています。また私は選手個人のプレーのみを重視し、所属クラブの成績は考えていません。私が選んだ選手に対しては、後悔することもなく、また私を失望させないと信じています。
私は、多くの選手が積極的に代表チームに参加しているのを見てきています。代表チームのメンバーに入ることは全ての選手の夢なのです。私に協力してくれる選手たちに、この場を借りて感謝の意を表したいです」

─今回のW杯では、同じイタリア人のファビオ・カペッロが監督を務めるイングランド代表も実力があるチームですが、この2つのチームが決勝戦で対戦する可能性はありますか?
「イングランド代表は1966年優勝以降遠ざかっていますが、カペッロ監督の指揮の下、手強いチームになっています。過去に失ったものを取り戻していますし、チームが既に完成している上、素晴らしい監督が指導しています。W杯の試合日程によれば、決勝戦でイングランド代表と対戦する可能性もありますが、そうなったら非常に素晴らしいことだと思います。イタリアの国歌が奏でられるとき、カペッロがどんな反応を示すか見てみたいものです」

─国内リーグではインテルの活躍が非常に素晴らしかったですが、彼らが今のイタリアサッカーのレベルを体現していると思いますか?
「インテルは強いチームですが、彼らをイタリアサッカーの代表と位置づけることはできません。彼らはいずれも外国人です。チェルシーを破ったあの試合では、インテルの先発メンバーにイタリア人は一人もいませんでした。イタリアサッカーは、イタリア人選手とイタリア人監督から構成されるべきです。世論は優勝カップの成績だけでイタリアサッカーを評価したがるものですが、本当はそうではないし、それがイタリアサッカーの全てではありません。イタリアには、ACミラン、ユベントス、フィオレンティーナだけでなく、カリアリ、ナポリ、ジェノア、ウディネーゼ、パレルモ、サンプドリア、それにイタリア代表があるのです」


(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

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