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李天秀がデビュー戦でシュート4本、「手応えはあった」

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[8.15 J1第18節 大宮0-0磐田 NACK]

 前後半で試合展開がガラリと変わった。大宮アルディージャは後半の45分間でシュート数7対2と一方的に攻め立てたが、あと一歩及ばず。3連勝で一気に残留争いから抜け出したかったが、悔やまれるスコアレスドローとなった。

 元韓国代表FW李天秀が移籍後初出場初先発。2トップの一角でフル出場し、前半は周囲との連係を欠いたが、徐々にかみ合っていった。両チーム最多のシュート4本。潜在能力の高さを見せつけた。

 「(前所属のアル・ナスル時代にプレーした)サウジアラビアでの公式戦から随分遠ざかっていたし、練習試合と公式戦で違いもある。でも、周りの選手とのコンビネーションはこれからどんどんよくなると思うし、初ゲームとしては手応えがあった」

 昨夏に加入したアル・ナスルでは給与支払い問題で法廷闘争に発展するなどサッカーに集中できない環境だった。02年の日韓W杯、06年のドイツW杯に出場し、スペインのレアル・ソシエダやオランダのフェイエノールトでプレーするなど海外経験も豊富なアタッカーがたどり着いた先が大宮。「練習以外の部分でもみんな親切にしてくれる。とてもいい環境で、そういうのは欧州とも違う」とチームに溶け込んでいる。

 3連勝はならなかったが、守備陣はこれで3試合連続の無失点。GK北野貴之が「それがチームのいいモチベーションになっているし、ゼロを続けていきたい」と話すようにチームは確実に上向いている。

 「大宮は守備のしっかりとしたチーム。攻撃の部分が活性化されて攻守のバランスがよくなれば、相手がうらやむようなチームになる」と李天秀も言う。依然、順位は14位で、降格圏内とは勝ち点4差だが、十分に巻き返しは可能であることを予感させるデビュー戦となった。

<写真>大宮FW李天秀
(取材・文 西山紘平)

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