[10.13 天皇杯3回戦 広島2-2(PK5-6)福岡 コカ広島ス]

　J2のアビスパ福岡がJ1勢撃破を果たした。天皇杯3回戦でJ1・サンフレッチェ広島と対戦した福岡は2-2でもつれ込んだPK戦の末、6-5で勝利。ナビスコ杯で決勝進出している広島を下して4年ぶりのベスト16入りを決めた。

　後半3分、カウンターからMF田中佑昌が先制点を奪った福岡に対して、日本代表韓国遠征から帰国したばかりのDF槙野智章を後半開始から投入するなど、貪欲に勝利を目指した広島もJ1勢の意地を見せる。29分にはFW李忠成、DFストヤノフが強烈なシュート。これは福岡GK神山竜一にセーブされたが、それでも後半終了間際の43分、MF高萩洋次郎が劇的な同点ゴールを決めて、延長戦へ持ち込んだ。
　
　福岡は延長前半7分にMF高橋泰のゴールで再び広島を突き放す。しかし広島は槙野が積極的な攻撃参加をみせるなど反撃すると11分、MF高柳一誠がPA内で倒されて獲得したPKを槙野が落ち着いて決め、土壇場で再び同点に追いついた。

　広島が2度のビハインドを追いつく執念を見せた試合は2-2でPK戦へ突入。だが、広島の驚異的な粘りもここまでだった。ともに5人ずつがPKを決めて迎えた6人目、先攻・広島のDF森脇良太が外したのに対し、福岡MF末吉隼也は落ち着いて決め、ついに決着。福岡が大金星を獲得した。
　　
　スポーツ報知web版によると福岡の篠田善之監督は「PK戦でも何でも勝って次のステージに行けるのだから、自信になる」とコメント。「120分間、ハードワークしてくれた」と延長戦、PK戦を戦い抜いた選手たちをねぎらったという。

　現在福岡は、4位千葉との勝ち点1差でぎりぎりの昇格圏内にいる。この勝利で得た勢いをリーグ戦につなげ、J1昇格を確実なものにしていきたいところだ。

(文　片岡涼)

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