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川崎F、2-0からまさかのドロー。大宮がホームで意地見せる

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[10.24 J1第27節 大宮2-2川崎F NACK]
 J1第27節の2日目が24日に各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャ川崎フロンターレが対戦した。FW矢島卓郎の今季初ゴールなどで前半の11分間で川崎Fが2-0のリードを奪ったが、後半、大宮が怒涛の攻撃で2点を奪い返し2-2の引き分けに終わった。川崎Fは勝てば4位浮上だったが、逆にACL圏内3位・G大阪に勝ち点4差、首位・名古屋に同12をつけられる展開になった。
 大宮は4-4-2を採用。GKは北野貴之、DFラインは右から村上和弘、深谷友基、坪内秀介、鈴木規郎。ダブルボランチは金澤慎と青木拓矢、2列目は右に藤本主税、左に金久保順が入った。2トップは李天秀とラファエルが組んだ。
 対する川崎Fはエースのジューニョが怪我で欠場。代わりにFW矢島卓郎が今季リーグ戦初先発した。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。ダブルボランチは稲本潤一と中村憲剛、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップは矢島卓郎と黒津勝が組んだ。
 立ち上がり、いきなり川崎Fが先制した。それも代役が魅せた。前半5分、矢島卓郎がPA内左でボールを受け、縦にドリブルして左足一閃。今季リーグ戦初ゴールを決め1-0リードに導いた。
 地力に勝る川崎Fはこのゴールでさらに勢いづく。そして前半11分、再びゴールを奪った。左サイド、憲剛の縦パスに小宮山が抜け出しグラウンダーのクロス。これに森勇介が飛び込んで右足で押し込み、早い時間に2-0とした。
 大宮は川崎Fのパス回しに苦しみ、主導権を握れない。持ち味のハードワーク、球際の激しさは発揮したが、ゴール攻略までにはいたらなかった。しかし、前半21分、ゴール正面約22m地点から金澤が強烈な右足ミドルシュート。GK相澤は止められず、クロスバーの下をかすめてゴールラインを割ったかに見えたが、岡田正義主審はノーゴールの判定。大宮サポーターのため息が響き渡った。
 その後も川崎Fが主導権を握って攻め込む。前半28分と同32分には黒津がシュートまで行くが、決めきることができなかった。大宮は攻め込まれながらも守備陣が粘って追加点を許さず。前半は川崎Fの2-0のまま折り返した。
 後半、両軍ともにメンバー交代なくスタートした。序盤、前半とはやや流れが変わり、大宮が前からのチェックで川崎Fを苦しめた。そして後半4分、大宮が1点を返した。右のショートCKから金久保がクロスを入れたが、これをGK相澤がセーブミス。こぼれ球を深谷友基がきっちり押し込んだ。
 このゴールで大宮が完全に勢いに乗り、また、少しラインが間延びしたことからカウンターの応戦が始まる。後半9分、大宮は藤本が強烈なミドルシュート。同23分には金澤が得意のミドルシュートでゴールを脅かす。いずれもGK相澤にセーブされたが、川崎Fを苦しめた。
 大宮は後半23分、青木に代えてFW石原直樹を投入したが、これがズバリと当たった。わずか1分後、石原が値千金の同点弾を奪った。クロスボールのこぼれ球から最後はPA内右でラファエルがグラウンダーのシュート。これを石原がゴール前に飛び込んでコースを変えてゴールネットに突き刺した。
 試合は2-2の振り出しに戻り、両軍ともに激しい攻防を繰り広げる。川崎Fは後半19分の黒津→FW小林悠に続き、同29分に稲本に代えてMF横山知伸を投入した。最低でもACL出場圏内の3位以内を目指す川崎Fは後半38分、森に代えてMF谷口博之を投入。田坂を右SBにし、谷口を2列目に入れた。
 対して、J1残留のためにも負けられない大宮は、同時間に金久保に代えてMF李浩、その1分後には藤本に代えてFW市川雅彦を送り出した。
 ともに激しさを増した終盤。後半41分、川崎Fは横山が左サイドを突進してPA内へ。大宮DFに引っ張られて倒れたように見えたが、岡田主審は笛を吹かず、PKにはならなかった。ともにカウンターの応酬となったが、試合はそのまま2-2で終了。大宮は勝ち点1をもぎ取り、川崎Fは勝ち点2を失った形となった。
 終了直後には判定に不服を持った両軍の一部サポーターが岡田主審にブーイングを浴びせる場面もあるなど、後味の悪いものとなった。
(取材・文 近藤安弘)

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