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残留争い、大宮-神戸は2-2ドロー。大宮は残留に大きく前進!

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[11.23 J1第32節 大宮2-2神戸 NACK]
 J1第32節が23日に各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では13位大宮アルディージャと16位ヴィッセル神戸が激突。2-2の引き分けに終わった。
 大宮は勝てばJ1残留が決定、神戸はこの試合の前に15位のF東京が勝っており、両軍ともに負けられない一戦だった。神戸は2度のリードをつかんだが、ホームの大宮が執念を見せた形。残り2節で大宮は神戸との勝ち点差を6とし、得失点差も5あるため、大きく残留に近づいた。
 大宮は大黒柱のMF藤本主税が出場停止から復帰した。システムは4-4-2でGKは北野貴之、DFライんは右から杉山新、深谷友基、マト、鈴木規郎。ダブルボランチは青木拓矢と李浩、2列目は右に藤本、左に渡部大輔が入った。2トップは李天秀とラファエルが組んだ。
 対する神戸は守備の要、DF北本久仁衛が出場停止だった。システムは4-5-1でGKは徳重健太、DFライんは右から石櫃洋祐、小林久晃、河本裕之、茂木弘人。ダブルボランチは三原雅俊と田中英雄、2列目は右に朴康造、左に小川慶治朗、トップ下にボッティが入った。1トップはポポが務めた。
 立ち上がり、ホームの大宮が積極的なプレスで主導権を握った。前半6分、左サイドで渡部のスルーパスに李天秀が抜け出し、渡部へリターンパス。再び李が受けてシュートまでいったが、右に外れてしまった。
 神戸はポポ、ボッティを中心に反撃をうかがう。そしてワンチャンスをものにした。前半14分、右サイドからボッティがクロス。これをファーサイドの河本がヘディングで中へ。一度はマトにクリアされたが、これが小さく、拾った朴康造がヘディングで押し込んで先制に成功した。
 このゴールで形勢が逆転する。神戸が中盤を支配した。大宮は受け身に回る時間が多くなった。ただ、ともにバイタルエリアでは体を張ってゴールを守る。中盤での激しい攻防が繰り広げられた。
 大宮は前半28分、縦パスに李天秀が抜け出しGKと1対1になったが、その前にオフサイドの判定を取られた。同43分には鈴木が得意の左足でミドルシュート。わずかに外れた。前半は神戸の1-0リードで折り返した。
 後半序盤、大宮がボールをつないだが、ゴール前での崩しに工夫がなく攻めきれない。神戸はショートカウンターで反撃。前線でポポのスピードが生きてくる。神戸は同13分、足を引きずっていた朴に代わりFWイ・ジェミンを投入。右サイドに入れ、縦のスペースを狙った。
 大宮は後半18分、藤本に代えてFW石原直樹を投入した。その2分後、ビッグチャンスが生まれる。李天秀の左クロスに、石原が右ボレー。わずかに外れたが、この起用で大宮に流れが傾いた。
 そして後半22分、再び李天秀が左クロス。PA内に走り込んだラファエルが倒されたがPKはなく、大宮がCKを奪った。だが、これが大きな同点弾につながった。鈴木の右CKのこぼれ球をマトが押し込み、1-1の同点とした。同29分、右サイドでラファエルがシュート。惜しくもクロスバーの下を叩いたが、大宮が主導権を握った。
 しかし、大宮に悪夢が訪れる。後半32分、神戸のイ・ジェミンが右サイドを突破してクロス。これにDF深谷友基が足を延ばしてクリアしようとしたが、そのまま自陣ゴールに突き刺しオウンゴール。神戸がラッキーな形で2-1勝ち越しに成功した。
 神戸は後半34分、ボッティに代えてMFエジミウソンを投入。対する大宮は同36分、鈴木に代えてDF村上和弘を送り出し、イ・ジェミンの突破を封じにかかった。大宮は引き分けに持ち込めば、残り2試合で神戸との勝ち点差が6と残留に大きく前進するため、ゴールを狙いに行く。後半37分には渡部に代えてMF宮崎泰右を投入。中盤の活性化を狙った。
 これら一連の交代策が功を奏した。後半40分、左クロスを中央で受けた李天秀がキープから、左の村上へ。低く鋭いクロスを入れると、これに石原直樹が右足を合わせて2-2の同点に持ち込んだ。
 その後、負けられない神戸が猛攻を仕掛ける。ポポ、イ・ジェミンの個人技を生かしてゴールに迫る。後半48分にはポポが正面からシュート。これはGK北野の好セーブに防がれた。試合はそのまま2-2で終了。大宮は残留に大きく前進、神戸は15位F東京との勝ち点差が3差に広がる苦しい状況となった。
(取材・文 近藤安弘)

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