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大宮・鈴木監督は采配がズバリ。次節古巣戦で残留決める!

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[11.23 J1第32節 大宮2-2神戸 NACK]

 後半40分、2-2の同点ゴールが決まった瞬間、大宮アルディージャ鈴木淳監督はこぶしを強く握りしめた。途中出場の選手たちがしっかりと結果を残し、劣勢を何とか引き分けに持ち込んだ。勝てなかったのは悔しいが、J1残留に大きく近づいた。

 「勝てなかったが、大きな勝点1だと思う。2度リードされたがサイドに突破口を見出して、そこを起点に後半の半ばから攻めることができた。相手の非常に速い出足にとまどったが、よく最後まで諦めずに追いついてくれた」

 指揮官は粘りを見せた選手をたたえたが、監督冥利に尽きる勝ち点1となった。的確な交代策でその流れを作った。この日は攻撃のキーマンであるMF金久保順が発熱のために急きょ欠場した。そんな苦しい台所事情だったが、引き分けに持ち込んだ。

 0-1の後半18分、切り札であるFW石原直樹を投入。その4分後、セットプレーから同点弾が生まれたが、石原が競ったこぼれ球をDFマトが決めたものだった。

 神戸はその前の後半13分から途中出場した快速FWイ・ジェミンが右MFに入り、攻撃重視の布陣になっていた。その攻め上がって空いたスペースを突くため、FW李天秀を左MFに回して、逆に起点を作った。これものちの同点弾につながる采配だった。

 後半22分にイのクロスからオウンゴールを喫し、1点ビハインドが続いた。ベンチにはまだFW市川雅彦が残っていたが、指揮官が切ったカードはFWではなく、DFだった。

 「鈴木が若干疲労が出てきて、イ・ジェミン選手が出てきてから、なかなか対応ができきれていなかった。我々の攻撃は左サイドの李天秀のところが起点だったので、そこでオーバーラップを1つ入れたかった。村上を入れて攻撃に厚みを増すことが狙いだった」とDF村上和弘を送り出す。結果、後半40分、村上の左クロスから石原の2-2同点弾が生まれた。

 残り2試合で降格圏16位の神戸とは勝ち点差6。限りなく残留に近づいたといえる。次節17日はホームで新潟を迎える。勝ち点1で残留が決まる。

 「非常に重要なゲームになる。幸いホームで戦えるので、ホームの利点をサポーターとともに生かして、勝点を挙げたい」と鈴木監督。相手は偶然にも昨年まで指揮を執っていた新潟。すべてを知り尽くした相手に、再び好采配を振るって残留に導く。

[写真]大宮鈴木監督

(取材・文 近藤安弘)

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