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F東京、平山弾で先制も痛恨ドロー。残留争いは最終・京都戦にもつれる

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[11.27 J1第33節 F東京1-1山形 味スタ]

 F東京、平山弾も……。J1第33節の1日目が各地で行われ、東京・味の素スタジアムでは激しい残留争いを繰り広げている15位FC東京と、すでにJ1残留を決めているモンテディオ山形が対戦した。

 この試合の前に16位の神戸が清水に勝ったため、F東京は勝ち点35で並ばれるプレッシャーの中、後半29分にFW平山相太のゴールで先制した。しかし、同41分にFW田代有三のゴールで追い付かれて1-1の引き分けに終わった。

 勝てば勝ち点差3ながら得失点差が最低でも10となるため、残留の可能性がかなり高まっていたが、これで16位神戸とは同1差に詰め寄られた。J1残留は12月4日の最終節・京都戦(西京極)の結果にゆだねられることになった。

 F東京はFW平山相太が出場停止が明けて先発した。システムは4-4-2でGKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、徳永悠平、今野泰幸、中村北斗。ダブルボランチは米本拓司と梶山陽平、2列目は右に石川直宏、左に羽生直剛が入った。2トップは大黒将志と平山相太が組んだ。

 対する山形はルーキーのFW伊東俊がリーグ戦初先発。システムは4-5-1でGKは清水健太、DFラインは右から宮本卓也、西河翔吾、前田和哉、小林亮。アンカーに佐藤健太郎、2列目には右から北村知隆、秋葉勝、増田誓志、伊東俊が入った。1トップは長谷川悠が務めた。

 序盤、ホームのF東京が積極的に仕掛け、ペースを握る。前半7分、石川の右クロスに大黒が飛び込む。しかし、これはジャストミートせず上に外れた。その2分後にはPA左から梶山が強烈なミドルシュート。これもわずかに上に外れてしまった。

 山形は長谷川のキープと伊東のスピードを生かしてカウンターを狙う。前半13分、PA左で長谷川が体の強さを生かして椋原からボールを奪い、オーバーラップした小林へ。小林は強烈な右足ミドルシュートを放ったが、惜しくも上に外れた。

 F東京は前半16分、決定機を迎える。右サイドを石川が攻略し中央の平山へ。しかし、フリーでボールを受けながらも判断が遅れ、シュートまでいけなかった。その2分後にも再び平山がビッグチャンスを迎えた。PA右でパスを受けた平山はドリブルで1人交わしてGKと1対1に。だが詰めてきたGK清水にセーブされた。

 前半35分、F東京にアクシデントが発生した。キーマンの石川が足を痛め、MFリカルジーニヨと急きょ交代した。開始直後、クロスを上げた際に痛めたとみられる。その後もF東京がボールをつなぎ、山形がカウンターを狙う展開となる。

 石川が不在となってF東京は押される時間帯が増えたが、前半44分、再び好機を迎える。左サイドを平山がドリブルで突破し、PA内左の羽生へ。シュートが打てそうな場面だったが、羽生は右にいた大黒へ横パス。しかし、これは呼吸が合わずに通らず、スタジアムにはため息が漏れた。前半はF東京が主導権を握りながら0-0で折り返した。

 後半の立ち上がり、F東京がボールこそつないだが、山形の守備ブロックに苦戦し攻めあぐねた。何とか打開しようと同8分、早いタイミングで交代のカードを切った。動きの落ちていた大黒に代えてFW前田俊介を投入。平山の1トップにし、右MFに前田、トップ下に羽生、左MFにリカルジーニョという布陣に変更した。

 後半13分、F東京が好機を迎えた。左サイドをリカルジーニョが突破しクロス。平山がマークに遭いながらもダイビングヘッドを繰り出したが、わずかに右に外れた。流れを変えたい山形は同14分、長谷川に代えてFW田代有三を投入。元日本代表の能力にゴールを託した。

 山形はこれがプラスに働き、田代を起点にゴールまで攻め込む。しかし、バイタルエリアは日本代表DF今野に阻まれ、フリーでシュートは打てなかった。F東京は後半19分、最後の交代カードを切った。羽生に代えてDF森重真人を投入。森重をCBに入れ、CBの徳永をボランチへ、ボランチの梶山をトップ下に入れた。山形はその1分後、伊東に代えてMF宮沢克行を送り出した。

 F東京はその後、攻めても攻めてもゴールをこじ開けられない時間が続いたが、後半29分、ついに大きな先制点をつかんだ。PA正面で梶山からパスを受けた平山相太が時計回りに反転して左足を一閃。DF2人に囲まれる苦しい体勢だったが、今季7得点目をゴール右に突き刺して1-0のリードを奪った。

 山形は後半32分、北村に代えてMF下村東美を投入。中盤でのボール奪取率を高めようとした。その後、一進一退の攻防が続く。ともにサイドを使って攻撃を繰り出した。そんな中、後半41分、山形が意地の1発を生んだ。左サイドを攻略し、最後は小林がクロス。これを中央で高さが武器の田代が競り勝ちヘディングシュート。ボールはゴール左ぎりぎりに吸い込まれ、1-1の同点となった。

 負けられないF東京はハイボールを多用して押し込む。しかし、山形の粘り強い守備に苦しんだ。ロスタイムは4分。F東京は平山を目がけて蹴り込むが、ゴールが遠い。反対に後半48分、山形にカウンターを喰らった。田代の右クロスに宮沢がフリーでダイビングヘッド。スタジアムに悲鳴が響く中、これはわずかに左に外れた。

 試合はそのまま1-1で終了。F東京はこれで3月6日の開幕・横浜FM戦の1-0勝利を最後に、味の素スタジアムで14戦未勝利となり、神戸に勝ち点差1に迫られた。12月4日の最終戦の相手は京都。J1残留か、それとも……。まさに運命を懸けた一戦となる。

[写真]試合終了後に倒れこむF東京DF今野

(取材・文 近藤安弘)

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