beacon

[大学選手権]仙台入りSB原田、涙の4分間ラストマッチ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.26 全日本大学選手権準決勝 関西大 2-1 筑波大 平塚]

 ベガルタ仙台加入内定の筑波大SB原田圭輔(4年)は、負傷している右わき腹を押さえながら大学生活最後の公式戦のピッチを後にした。

 細身の身体ながら圧倒的な闘争心とスピード、強さで相手の脅威となる“筑波の稲妻”。だが、その名は準決勝の先発リストから外されていた。原因は準々決勝浜松大戦の後半開始直後に負った右わき腹の負傷。それでも浜松大戦は歯を食いしばって延長、PK戦まで戦い抜いて勝利に貢献し、その試合直後にも「準決勝大丈夫です」と改めて決意を示していたが、実際はプレーできる状態になかった。

 本人は「打撲」と言い切り、レントゲン検査も行わなかった。ただ痛みの引かなかったこの日、原田が投入されたのは1-2の後半44分から。負傷をおしての強行出場となったが、ロスタイムを含めた4分間では流れを引き寄せるには時間が短すぎた。「(もっと早く投入されたとしても)自分がいいプレーができたかというと分からない。負けた悔しさと申し訳ない気持ち。怪我したのは自分の責任ですから」。

 怪我に悩まされながらも大学4年間で成長し、プロ入り内定を得た。ただ筑波の復権に貢献できなかったことについてだけは悔やんでも悔やみきれない。「勝たないと評価されないところがある。筑波が一番強いことを証明するためには優勝するしかない」。

 プロとして臨む新シーズンの開幕まではあっという間。「サッカーを続けるチャンスをもらえたのでもっと上手くなって。最後筑波に迷惑をかける部分あった。だから活躍して恩返ししたい。ベガルタのサポーターの皆さんには縦の突破とか、勢いあるプレーを見てほしい」と筑波への恩返しと仙台の地を沸かせることを11年の目標に掲げた。

(取材・文 吉田太郎)
第59回大学選手権特集

TOP