beacon

[被災地に希望を ベガルタ戦士の誓い]vol.11_DF渡辺広大

このエントリーをはてなブックマークに追加

 東日本大震災による被害を受けたベガルタ仙台は4日から千葉・市原市内でキャンプをスタートさせた。ゲキサカでは今回、仙台イレブンの想いを取材。第10回はDF渡辺広大です。2009年は堅守に導き、J1昇格の立役者となりましたが、昨季は調子を落としてレギュラーを失った。今季で仙台7年目となるCBは、自身がレギュラーを奪い返す姿で、ファンに勇気を与えることを誓った。

以下、一問一答

―千葉に移動して、ここから再スタート。どんな心境ですか?
「やっぱり仙台に後ろ髪惹かれる思いがあったので、来る前はちょっとなあ……っていう気持ちでしたけど、千葉に来て、いろんな人にサポートしてもらってやれている。今は吹っ切れて、サッカーに専念するぞという気持ちになりました」

―仙台に残って支援活動をしたほうがいいと思った?
「そうですね、来る前に1週間くらボランティアをやっていて、みなさんからパワーをもらったし、その人の力になりたいと思った。だから、もう少しやりたいなと思った。でもプロである以上、サッカーで力を与えないといけないので」

―地震はどういう状況で遭った?
「僕は車の中で遭いました。家族に連絡を取ろうとしたら、もう、連絡取れなかった。道路も信号も壊れて大渋滞で。家も……。まだライフラインが復旧してないんです。嫁の実家が宮城なんですけど、オール電化で電気が4日後に通ったので、嫁の実家に戻っていました」

―千葉は出身地で、高校も市立船橋。縁あるところで再始動となりました。千葉も震災被害がありましたが。
「高速道路を走っていて、見慣れた景色が目に入って、テンションあがっています。こうやって、地元で始められるのは縁があるのかなと思う。千葉も震災の被害があって、僕の親戚は、銚子とかに住んでて震災に遭われたと聞いてます。でも怪我とかはなかったそうです。実家は四街道ですけど、こっちは大丈夫でした」

―どんなキャンプにしたいですか? 今季はレギュラー奪回というテーマがありますが。
「去年から、安定したパフォーマンスができていなかった。そういう面で、もう一回、リスタートという気持ちでやっています。開幕はスタメンを取れなかったけど、1年は長い。もう一度、自分のできていないプレーとかを洗い出して、練習からやっていきたい」

―レギュラーを奪回していく道程が、被災者・仙台ファンの勇気になると思います。
「みなさんからほんと、声をかけてもらっている。もうここに来て7年、18歳から来て、大人になりかける中で仙台に来た。千葉というよりは、“仙台人”というイメージが自分の中についています。ここまでを見てくれた人に恩返しをしたいですね。今年はもう一度、注目を浴びれるように頑張りたい」

―どんなプレーで被災地を勇気づけたいですか?
「いつも以上に元気を出してプレーしたい。ぼくは華麗なプレーや綺麗なプレーができるタイプではないので、いかに今まで以上に熱い気持ちで練習したり、試合をするかだと思う。練習を見に来ただけでも、元気がついたよ、と言われるように頑張りたいです」

(文 近藤安弘)

TOP