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熱狂と歓喜のユアスタ、太田の2戦連発弾で仙台が震災後初のホームゲームを制す!!

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[4.29 J1第8節 仙台1-0浦和 ユアスタ]

 J1第8節が29日、各地で行われ、ベガルタ仙台は本拠地のユアテックスタジアム仙台で浦和レッズと対戦した。仙台にとって東日本大震災後、初となるホームゲームが今季のホーム開幕戦。過去3分7敗と勝利のなかった浦和に対し、前半40分にMF太田吉彰の2戦連発となるゴールで先制すると、この1点を最後まで守り抜き、1-0で競り勝った。これでリーグ再開後、2連勝。震災後初めて地元サポーターの前で行われたホームゲームで見事に勝利を飾った。

 仙台は23日の川崎F戦(2-1)と同じ先発メンバーだったが、システムを4-2-3-1から4-4-2に変更。MF太田吉彰がFWに入り、FW赤嶺真吾と2トップを組んだ。
 浦和は24日の名古屋戦(3-0)からメンバー、システムともに変更なく、名古屋戦でゴールを決めたFW田中達也、MFマルシオ・リシャルデス、FW原口元気が2列目に並んだ。
[スタメン&布陣はコチラ]

 仙台は前半4分、MF梁勇基がMF関口訓充とのワンツーから倒れ込みながら右足でシュート。これは惜しくもゴール右に外れたが、同5分にも高い位置でボールをカットした赤嶺からパスを受けた関口がミドルシュートを狙うなど立ち上がりから積極的にゴールに迫った。

 ホームの後押しを受ける仙台は前半15分にも右サイドでボールを受けた赤嶺の折り返しからMF高橋義希が反転しながら左足でシュート。同22分には梁のFKのこぼれ球を太田が狙ったが、DFのブロックに阻まれた。

 序盤のピンチをしのいだ浦和は徐々にボールポゼッションを高め、仙台陣内に攻め込む。浦和のパス回しに対し仙台は後手を踏むシーンもあったが、体を張って跳ね返した。こう着状態に入った試合は前半40分、仙台が運も味方に付け、先制点を奪った。

 右サイドのルーズボールに梁が詰めると、DF宇賀神友弥のクリアが梁の体に当たって前方にこぼれる。ボールはゴールライン方向に飛んでいったが、手前でワンバウンド。バックスピンのかかっていたボールはラインを割ることなく、梁のもとへ。フリーでボールを持った梁の狙い澄ましたクロスに太田が頭で合わせ、ゴール左隅にねじ込んだ。

 太田の2戦連発ゴールで先制に成功した仙台は前半43分にも縦パスに抜け出した太田がループシュート。ボールはGKの頭上を越えたが、惜しくもゴールポストに弾かれ、1-0で前半を折り返した。

 浦和は後半開始から田中に代えてFW高崎寛之を投入。FWエジミウソンと2トップを組む4-4-2にシステムを変更した。攻撃の圧力を強めて相手を押し込むが、セットプレーのチャンスも仙台の粘り強いディフェンスに阻まれる。後半22分には原口からくさびを受けたエジミウソンがつぶれ役となり、高崎がシュートを打ったが、枠を捉えることはできなかった。

 仙台は後半21分に高橋に代えてMF富田晋伍を投入し、中盤の守備を強化。一方の浦和は同25分、MF山田暢久に代わってMFマゾーラがピッチへ。マルシオ・リシャルデスがボランチの位置に下がり、中盤の右に原口、左にマゾーラが入る攻撃的布陣で同点ゴールを目指した。

 劣勢の仙台も少ないチャンスから追加点を狙う。後半30分にはDF菅井直樹の折り返しから関口がフリーでシュートを打ったが、DFの体に当たった。仙台は直後に太田を下げ、移籍後初出場となるMF松下年宏を投入。前線は赤嶺の1トップで、中盤のアンカーにMF角田誠、その前方に松下と富田が位置する4-1-4-1にシステムを変更し、逃げ切りを図った。

 仙台の1点リードのまま終盤に入り、1万8456人の観衆で埋まったスタジアムのボルテージもさらに高まった。選手の背中を押す「ベガルタ仙台」コール。後半ロスタイムにはDF朴柱成が頭部を負傷し、ピッチの外で治療を受けていたが、10人で浦和の最後の猛攻を跳ね返し、1-0で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

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