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白熱の首位攻防戦はドロー、栃木が千葉のホーム連勝を止め首位守る

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[6.26 J2第18節 千葉2-2栃木 フクアリ]

 J2第18節は26日、各地で5試合を行い、フクダ電子アリーナでは2位ジェフユナイテッド千葉と首位栃木SCが対戦した。昇格争い直接対決となった大一番は前半2分に栃木がFWリカルド・ロボのゴールで先制。千葉も同25分にFW深井正樹、同34分にMF米倉恒貴のゴールで逆転したが、同40分にロボが2点目。互いに譲らず、2-2の引き分けに終わった。

 千葉はFWオーロイが累積警告で出場停止のためルーキーのFW久保裕一が8試合ぶりの先発で1トップに入った。それ以外は前節の横浜FC戦(1-1)と同じメンバーで臨んだ。
 栃木は前節の北九州戦(2-1)からGKが代わり、GK武田博行が4試合ぶりにゴールを守った。前線はともに北九州戦で得点を決めているFWリカルド・ロボ、FW崔根植が2トップを組んだ。
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 試合はいきなり動いた。立ち上がりの3分、栃木は左サイドからのスローインの場面でDF大久保裕樹がロングスローをゴール前に放り込むと、ニアサイドで崔がそらしたボールをロボがゴールに流し込んだ。ロボの3戦連発となる先制パンチ。栃木が千葉のお株を奪うロングスローでリードを奪った。

 先制点で勢いに乗る栃木は前半4分にもMF水沼宏太が左サイドから中に切れ込み、右足で強烈なミドルシュート。立て続けにチャンスをつくったが、ここはGKの好セーブに阻まれた。ホームで負けられない千葉も反撃に出る。前半8分、MF伊藤大介のサイドチェンジを受けたFW深井正樹が左サイドからPA内に切れ込み、左足でシュートを狙ったが、DFのブロックに阻まれた。

 雨で濡れたピッチの影響か、互いに中盤でミスが目立ち、カウンターの応酬のような展開となった。千葉はオーロイに代わって1トップに入った久保が強さを見せるが、セカンドボールがうまく味方につながらず、孤立気味だった。

 千葉は前半21分、DFマーク・ミリガンのロングスローに192cmのMFファン・ゲッセルが頭で合わせるが、枠は捉えられない。両チームともになかなか攻撃の形をつくれず、栃木は同24分に水沼が積極的にミドルシュート。これはゴール上に外れたが、同じように攻めあぐねる千葉が目の覚めるような弾丸ミドルで同点に追い付いた。

 前半25分、ファン・ゲッセルから横パスを受けた深井はPA外から迷わず左足を一閃。強烈なひと振りがゴール左上に突き刺さり、深井のホーム5戦連発となるゴールで試合を振り出しに戻した。

 一気にペースアップする千葉は栃木を攻め立て、相手陣内に押し込む。前半34分、左サイドでボールを持った久保が縦に突進。左足で上げたクロスがスライディングタックルに来たDFの足に当たってフワリと浮くと、これがゴール前のGKを越え、逆サイドから詰めたMF米倉恒貴が右足で押し込んだ。2-1。千葉があっという間に逆転に成功した。

 しかし、首位に立つ栃木も簡単には引き下がらない。前半40分、左サイドから攻め込むと、PA内混戦からこぼれ球をロボが蹴り込み、同点弾。ロボのこの日2得点目で2-2の同点に追い付き、前半を折り返した。

 栃木は後半開始から崔に代えてFW廣瀬浩二を投入。互いに勝ち越しゴールを目指す両チームの対決は徐々に激しさを増し、攻守の目まぐるしく変わる展開となった。栃木は後半7分、右FKからMF高木和正が大きく逆サイドに蹴り、フリーの大久保がシュートを打ったが、外側のサイドネット。千葉も同19分、伊藤のFKに逆サイドから飛び込んだDF竹内彬がヘディングで合わせたが、枠を捉え切れない。同20分、DF青木良太の左クロスを胸トラップした久保の強烈な左足ボレーもGKの正面を突いた。

 千葉は後半26分、久保に代えてFW青木孝太を投入し、最初のカードを切る。栃木は同31分、ロボが約30mの距離からロングシュートを放つもGKがセーブ。同36分には2人目の選手交代を行い、高木に代わってMF河原和寿がピッチに入った。両チームともに攻撃的なカードを切って次の1点を狙うが、なかなか決定的な形にまで至らない。

 千葉は後半38分、カウンターから深井が駆け上がり、長い距離を走ってきた米倉にスルーパス。米倉は左サイド角度のない位置から左足でシュートを狙ったが、GKに抑えられた。同40分には伊藤に代えてFW林丈統を投入。さらに攻勢を強めた。

 ホームで勝ち点3の欲しい千葉は終盤、立て続けにセットプレーのチャンスを迎えるが、後半45分、ミリガンのロングスローのこぼれ球を狙ったMF佐藤勇人の左足ボレーも枠外。ロスタイムの4分間も互いに攻め手を緩めず、栃木は47分、河原がマイナスに戻したボールをMF鈴木修人がロングシュートで狙ったが、ゴール左にそれた。

 首位攻防戦らしい激戦は最後まで一歩も譲らず、2-2のドロー。互いに勝ち点1を分け合ったが、千葉は開幕から続いていたホームでの連勝が5でストップし、栃木が首位を守った。

(取材・文 西山紘平)

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