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盛田復活弾に西川PKストップ、広島が苦しみながらも大宮に勝利!

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[7.3 J1第2節 大宮0-1広島 NACK]

 J1第2節の第2日が3日に各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャサンフレッチェ広島が激突した。大宮が今季ホーム初勝利を目指して押し込む展開が続いたが、広島は後半4分にベテランDF盛田剛平がCKからヘディング弾を決め、1-0勝利をつかんだ。大宮はこれでホーム戦3分4敗と全7戦未勝利となった。

 何としてもホームで勝ち星が欲しい大宮は、一部布陣を変更。スーパーサブのFW石原直樹をリーグ戦6試合ぶり2度目の先発に抜擢した。システムは4-4-2でGKは北野貴之、DFラインは右から渡部大輔、坪内秀介、金英權、村上和弘。ダブルボランチは青木拓矢と上田康太、2列目は右に東慶悟、左に李天秀が入った。2トップはラファエルと石原が組んだ。

 対する広島は3-6-1システムを採用。GKは西川周作、DFラインは右から森脇良太、森崎和幸、盛田剛平。ダブルボランチは中島浩司と森崎浩司が組み、右サイドはミキッチ、左サイドは山岸智が入った。トップ下は右に李忠成、左にムジリが構え、1トップは佐藤寿人が務めた。

 立ち上がりから大宮が完全に中盤を支配し、中央にサイドにとボールを振り、広島ゴールに襲いかかった。ただ、広島もゴール前はきっちりと人数を揃えて守ったため、バイタルエリアは崩せない。大宮は前半4分、李天秀が右足ミドル。その3分後には再び李天秀がミドルを狙い、さらに同9分には上田が左足ミドルを狙うなど相手のDFラインをおびき出すべく、遠目からシュートを放った。

 そして前半12分、大宮に最初のビッグチャンスが訪れた。PA右で東が中央のラファエルを目がけて高精度クロス。エースはフリーで頭を合わせたが、置きに行き過ぎたのか威力がなかったうえ、GK西川の正面を突いてしまった。

 広島は中盤でボールが奪えず、また取れても深い位置のため、得意のカウンターに持ち込めなかった。おまけにボランチの中島にパスミスが目立ち、ボールを落ち着かせて攻めることもできなかった。広島は前半24分、ミキッチがセットプレーのこぼれ球からミドルシュートを放ったが、枠を外した。悪い流れを変えるべく、広島は早くも動く。前半29分、中島に代えてMF青山敏弘を投入した。

 それでも、簡単には大宮からペースを奪い返せない。前半35分、大宮がチャンスを迎える。PA左で李天秀が粘り、グラウンダーのパス。ラファエルがニアに飛び込んだが、体勢が悪くシュートは左に外した。前半40分、大宮のラファエルと広島の盛田が接触プレーでともに転倒。ラファエルは頭部を打ちピッチの外に出たが、同44分に戻った。前半は大宮が圧倒的に攻め込んだが、0-0で折り返した。

 後半4分、苦戦続きだった広島がセットプレーで先制に成功した。左CKのチャンスで、森崎浩司のキックに長身の盛田剛平が頭を合わせてゴールネットに突き刺した。昨季は右足の怪我で出場なしと棒に振ったベテランが、今季初ゴールを決めて1-0リードをもたらした。

 この得点で広島が少し息を吹き返す。ボールを奪い、カウンターを仕掛ける回数も増えてきた。だが、大宮も積極的に攻撃を仕掛ける。後半11分、ゴール前の混戦から東が右足シュート。これは上に外れた。その1分後にはゴール前をパスとドリブルで崩し、最後はPA内右の東が右足でシュート。フリーで放ったが、GK西川の好セーブに阻まれた。

 後半17分、広島はムジリに代えてMF高萩洋次郎を投入した。直後、大宮がビッグチャンスをつかんだ。同17分、PA内左の縦パスに石原が飛び出し、クリアに来たGK西川と交錯。西川は滑りこみながらキャッチに行っており、微妙な判定だったが、西村雄一主審は大宮にPKを与えた。同18分、エースのラファエルがキッカーを務め、左中段付近に蹴り込んだが、これはGK西川周作のファインセーブに阻まれ、同点の機会を逃してしまった。

 大宮は後半26分にも好機を作った。広島の盛田のバックパスを石原が奪い取り、PA内中央やや右で右足シュート。しかし、わずかに右に外した。広島は後半31分、最後の交代のカードを切った。山岸に代えてMF服部公太を投入した。

 ホームで負けたくない大宮は後半34分、ついに1枚目の交代のカードを切った。青木に代えてMF藤本主税を投入。藤本が前目めのボランチに入り、上田と縦関係を作った。同39分には李天秀に代えてMF渡邉大剛を投入。渡邉は右MFに入り、東が左MFに回った。

 広島は守備の際は、佐藤を前線に残すだけで全員が引いて守り、大宮の猛攻を防いだ。ボールを奪っても無理をせず、時間を使った。ロスタイムは4分。後半46分、広島はゴール正面、PA内ギリギリで李忠成が倒されFKをゲットした。直後、大宮は最後のカードを切る。村上に代えて期待の高卒ルーキーのFW清水慎太郎を投入した。

 広島はFKを森崎浩が直接狙ったが、壁に当てた。その後も両軍ともに激しいせめぎ合いを見せたが、広島が逃げ切りに成功。防戦一方の苦しい試合展開の中、広島がワンチャンスを物にして勝ち点3をつかんだ。大宮はこれで3分4敗とホーム全7戦未勝利。試合後はスタジアムにサポーターからのブーイングも響いた。

(取材・文 近藤安弘)

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