beacon

横浜FMの連勝は5でストップも、得失点差で柏を上回り5年ぶり首位浮上

このエントリーをはてなブックマークに追加
[7.17 J1第5節 大宮1-1横浜FM NACK]

 J1第5節は17日、各地で4試合を行い、NACK5スタジアム大宮では3連敗中の大宮アルディージャと5連勝中の横浜F・マリノスが対戦。横浜FMは前半37分、FW小野裕二のゴールで先制したが、大宮も後半29分にFWラファエルが同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。連勝が5で止まった横浜FMだが、勝ち点34で柏に並ぶと、得失点差で上回り、06年のJ1第4節終了時点以来、5シーズンぶりとなる首位に浮上した。

 ホームで今季3分5敗といまだ勝利のない大宮は前節・福岡戦(0-1)から先発1人を変更。DF渡部大輔に代わってDF杉山新が15試合にぶりに先発し、右SBに入った。
 横浜FMは前節の横浜FM戦(2-1)から先発2人が入れ替わり、左SBでDF波戸康広が8試合ぶりに先発。2トップの一角でFW小野裕二が2試合ぶりに先発し、4戦連発中のFW渡邉千真と2トップを組んだ。
[スタメン&布陣はコチラ]

 今節こそホーム初勝利を手にしようと、立ち上がりから大宮が積極的に攻撃を仕掛けた。前半2分、DF村上和弘の左クロスにMF東慶悟が飛び込み、ヘディングシュート。同4分にはハーフウェーラインを越えたところで前を向いたMF藤本主税がGKが前に出ているのを見逃さず、ゴールまで約40mの距離からループシュートを狙った。これはGK飯倉大樹がかろうじて手に当て、CKに逃れたが、序盤から大宮がチャンスをつくった。

 その後は互いになかなか決定機をつくれず、こう着状態が続いたが、確実にフィニッシュまでつなげるのは大宮。前半22分、左サイドから中に切れ込んだFW李天秀が右足で狙うと、同29分にもMF青木拓矢のスルーパスに反応した李が左足でシュート。同33分にも李からのラストパスを受けたFWラファエルが右足で狙ったが、GKのセーブに阻まれ、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

 横浜FMはいい形で攻撃を組み立てられず、ほとんどシュートも打てない。前半36分、渡邉が強引に右足ミドルを狙うが、DFの体に当たる。それでも、このプレーで獲得したCKから先制に成功した。前半37分の右CK。MF中村俊輔が左足で巻いて蹴ったボールは鋭い軌道を描いてゴールに向かって曲がり、混戦の中を小野が押し込んだ。横浜FMがセットプレーのワンチャンスを生かして1-0とリードを奪い、前半を折り返した。

 ハーフタイムに両チームが選手を交代。大宮はDF深谷友基に代えてDF坪内秀介、横浜FMは小野に代えてFW大黒将志を投入した。

 同点ゴールを目指し、徐々に攻勢を強める大宮は後半11分、MF上田康太の右クロスにラファエルが頭で合わせるもゴール上へ。同14分、中盤でボールを奪った上田のスルーパスからラファエルが左サイドを突破。マイナスの折り返しに李が左足で合わせたが、GKの正面に飛んでしまった。同20分には上田の浮き球のスルーパスを受けたラファエルが右足でゴールネットを揺らすもオフサイドの判定。あと一歩のところまで迫るものの、ゴールが遠かった。

 守勢に回る時間の増えた横浜FMもカウンターからチャンスをつくる。後半21分、オーバーラップしたDF小林祐三の右クロスを逆サイドの大黒がヘディングシュート。しかし、これはゴールラインぎりぎりのところでGKに弾き出され、同22分、大黒のスルーパスに抜け出した中村の左足シュートもGKの好セーブに阻まれた。

 大宮も後半23分に決定機をつくり、右サイドを抜け出したラファエルの折り返しに逆サイドから猛然と詰めた藤本がシュート。しかし、これもGK飯倉がビッグセーブ。互いにチャンスをつくりながら両GKが再三の好セーブを見せた。

 大宮は後半24分、東に代えてDF渡部大輔を投入し、渡部はそのまま2列目の右サイドに入る。一方の横浜FMも同27分、渡邉に代えてDFキム・クナンを前線に投入。互いに2枚目のカードを切ると、その直後に得点が生まれた。

 後半29分、大宮は左サイドを上田と藤本のワンツーで崩し、上田が深い位置から折り返したボールをラファエルが流し込む同点弾。ラファエルの8試合ぶりゴールで大宮がついに1-1に追い付いた。

 一気に勢い付く大宮は攻勢を強めてたたみかける。後半31分、左サイドを突破した李のマイナスのパスを藤本がシュート。しかし、これは枠を捉え切れず、同35分には杉山が右サイドを抜け出し、折り返しを再び藤本が狙ったが、シュートはまたしてもGK飯倉のスーパーセーブに阻まれた。

 今季ホーム初勝利へ、何としても2点目の欲しい大宮は後半40分、李に代えてMF渡邉大剛を投入し、最後のカードを切る。渡邉は左サイドに入り、前線はラファエルと藤本の縦関係の2トップになった。

 後半46分にはその渡邉から背後を追い越してきた村上につなぎ、左クロスを逆サイドから走り込んだ渡部がヘディングシュートを放つが、DFが体を張ってブロック。勝ち越しゴールを目指し、終盤は猛攻を見せたが、あと一歩及ばず。試合はそのまま1-1で終了した。

 大宮はこれで今季ホーム戦4分5敗となり、初勝利はまたしてもお預け。一方、横浜FMの連勝も5で止まったが、勝ち点1を積み上げ、得失点差で柏を上回り、ついに今季初めて首位に立った。

(取材・文 西山紘平)

TOP