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降格圏まで勝ち点2差…大宮はまたもホームで勝てず

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[7.17 J1第5節 大宮1-1横浜FM NACK]

 気持ちのこもったプレーは見せた。堅守を誇る横浜FMから何度となく決定機をつくり、0-1の後半29分にはFWラファエルが同点ゴール。その後も猛攻を仕掛け、シュート数では19対12。内容では完全に相手を凌駕していたが、あと1点が遠かった。

 大宮アルディージャは連敗を3で止めたものの、1-1ドローで5戦白星なし(2分3敗)。ホームでは4分5敗となり、またしても今季初勝利を逃す結果となった。

「試合の入りから最後まで、選手はよくやってくれていた。福岡戦が終わったあと、いろんなことを選手と話して、それを選手が感じてくれたのかもしれないし、選手自身がやらないといけないんだという高いモチベーションと意識を持って臨んでくれた。それが結果に結び付かなかったのは残念です」

 鈴木淳監督は悔しさを隠せなかった。前節、最下位の福岡に0-1で敗れ、3連敗。今季無敗だったアウェーで初黒星を喫し、中3日で迎えた試合。心身ともに厳しいコンディションの中、選手たちは素晴らしい反発力を見せた。

 立ち上がりからチャンスをつくり、球際、セカンドボールの競り合い、運動量でも横浜FMを上回っていた。ところが、前半37分にCKから失点。ワンチャンスを生かされ、リードを許した。それでも後半も主導権を握り続け、後半29分に同点。その後も決定機をつくったが、相手GKの神がかり的な好セーブに阻まれ、2点目を取れなかった。

「チャンスはあったけど、決められなかった。ただそれだけ」。MF藤本主税は唇をかむ。後半23分、FWラファエルの右クロスに合わせた左足シュートはGK飯倉大樹が左手1本でセーブ。同35分にもDF杉山新の折り返しから決定機を迎えたが、またしてもGK飯倉の牙城を崩せなかった。

 約1ヵ月勝利がなく、いまだホーム初勝利も遠い。順位は12位のままだが、勝ち点では降格圏まで2差と迫った。それでも、今日の試合内容に光を見出すことはできる。藤本は「グラウンドでみんなを鼓舞して、みんなの表情を見ながらやっていたけど、みんなが勝ちたいと思って最後まで戦っていたと思う」と指摘。気持ちを切らすことなく、90分間攻め抜いた姿勢は次につながるはずだ。

「ほとんどの試合で内容は悪くないし、選手は高いパフォーマンスを発揮してくれている。敗戦の原因、勝ち切れない要因は、メンタル、戦術を含めて甘さがあるからかなと思う。内容が良くていけそうだと思っても、セットプレーで失点することが多い。試合の運び方、集中力、そういう細部を詰めないといけない」。そう言って前を向いた鈴木監督。次節は23日、敵地に乗り込んでの仙台戦だ。

(取材・文 西山紘平)

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