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福岡は柏に先制も逆転負け。守護神「良い戦いをしたではダメ」

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[8.20 J1第22節 柏3-2福岡 柏]

 前節の川崎F戦で2-1勝利し、浅野哲也新監督就任後の2戦目で初勝利をつかんだアビスパ福岡。今季初の連勝を目指した柏戦は2-3と競り負けたが、先制点を奪っただけに、せめて勝ち点1は欲しかった。前半のうちに1-2と逆転されてしまったことが尾を引いたが、新指揮官も「悔しい気持ちでいっぱいです」と唇をかんだ。

 MFレアンドロ・ドミンゲス、DF酒井宏樹との1対1でスーパーセーブを披露するなど、再三の好セーブでチームを鼓舞したGK六反勇治も「もう少しで勝点に届くという点はポジティブに考えてもいいけど、自分たちの現状を考えると良い戦いをしたではダメです。やっぱり勝点が必要だし、それをモノにしないといけない」と悔しがった。

 浅野監督が就任後、DFラインを高めに設定し、前からボールを奪うサッカーに挑戦している。ビルドアップの面でも、消極的になってDFラインに下げて回さず、サイドのスペースに積極的に入れるように試みているという。これが少しずつ浸透。この日も前半7分に、早めの攻撃でMF末吉隼也がDFラインとGKの間にボールを入れ、FW岡本英也が飛び込んで先制点を決めた。

 前半24分には、岡本がDF近藤直也のバックパスを拾ってゴール前へ。最終的にDF増嶋竜也にブロックされたが、前へ前への恐れない姿勢が“チャンス”を作っている。後半28分の2-3とするFW城後寿のゴールも、前への積極性が生んだもの。たしかに決定機の数では圧倒的に柏が多く作り、前半で2失点するなど甘い部分はあるが、今後に期待が持てる部分はある。

 浅野監督も「今までだったら前半の劣勢の状況で後半に入ると、なかなかそれを巻き返せずにいた。そういう面では、特にこの2試合は後半、我々のペースになった時間帯があっても、前節は引っくり返せた。そして今節は1点差になった。その後の時間帯はしっかりと攻めの意識が出てきて追い越すという選手たちの前向きなプレーが出ていた」と手応えを口にした。

 とはいえ、勝ち点11の最下位と苦しい状況が続いている。この日は16位の甲府が勝利し、同20に伸ばした。残留圏15位の大宮は同24で、福岡とは13差ある。浅野監督は「最後まで諦めないところは、交代選手も含めて出せたので評価はしたい。でも、やはり我々は1試合1試合、勝点3を積み上げていかなければ目標は達成できない」と強調した。六反は「監督が変わっただけではダメ。選手も変わらないといけない」と吐露した。時間は多くないが、“急成長”を信じて戦う。

(取材・文 近藤安弘)

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