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先発5人変更の福岡が6戦ぶり勝利、「闘志が相手を上回った」

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[9.25 J1第27節 福岡2-1広島 レベスタ]

 最下位のアビスパ福岡が広島に2-1で競り勝ち、6試合ぶりの勝利を飾った。3連敗を喫した前節・甲府戦(1-2)から先発5人を入れ替え、主将のMF中町公祐もベンチスタート。「気持ちのある選手を使う」という浅野哲也監督の大胆なテコ入れ策が功を奏し、5試合ぶりに先発したMF末吉隼也が大仕事をやってのけた。

 前半40分、カウンターから末吉がFW城後寿に預けると、すかさずゴール前に走り込む。城後とワンツーの形でスルーパスに反応すると、倒れ込みながら右足で合わせ、ゴール左隅へ流し込んだ。

「城後さんにパスを出して、バイタルエリアに走り出したらスペースがあった。いいパスが来たので、流し込むだけだった」。殊勲の末吉は謙虚に語ったが、5試合ぶりの先制点がチームを勇気づけた。

 後半は広島の反撃に耐える時間が続いたが、相手のシュートミスやゴールポストに救われ、リードを守り続ける。後半18分にはFW重松健太郎に代えて中町を投入。末吉をDFラインに下げる5バックにシステムを変更して逃げ切りを狙った。

 すると、後半30分、高い位置までプレッシャーをかける積極的なディフェンスが追加点を生んだ。相手PA内まで追い込むと、広島DF盛田剛平のクリアが城後に当たり、こぼれ球をMF成岡翔が蹴り込み、2-0。後半ロスタイムに1点を返されたが、怒涛の猛攻に耐え抜き、8月14日の川崎F戦(2-1)以来、42日ぶりの白星を手にした。

 浅野監督は試合後のインタビューで「苦しい試合だったが、何が何でも勝ち点3を全員で取るんだという闘志が相手を上回ったのかなと思う」と指摘。「今日のような気持ちの入った試合をしないと、ベースにならない。走る、泥臭く守る。そういうところをなくすとバラバラになる。気持ちで戦うことしかできない」。今季4勝目となった福岡だが、アウェーではいまだ未勝利。「今日のような試合をアウェーでもできないといけない」と指揮官は力を込めた。

 6試合ぶりの勝ち点3を積み上げたとはいえ、残り7試合で残留圏までは勝ち点14差。J1残留のためには崖っ縁の試合が続く。末吉は「もう負けられない試合ばかりなので、今日のように気持ちを前面に出して戦っていきたい。自分たちはあと全部勝つしかない」と言った。最後まであきらめることなく、とにかく自分たちが残り7試合すべて勝つだけだ。

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