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大宮・北野がファインセーブで勝利に貢献、「泥臭さで流れを引き寄せた」

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[10.15 J1第28節 浦和0-1大宮 埼玉]

 大宮アルディージャのGK北野貴之が、ファインセーブで勝利に大きく貢献した。後半8分、浦和にDFラインを破られ、FWデスポトビッチにPA内左から左足でシュートを放たれた。しかし、北野が冷静なプレーでストップ。この時間帯、完全に浦和の流れだったが、守護神がせき止めた。

「前半から、そんなに決定的なチャンスはなかったけど、だからこそ、ああいうのが来るんじゃないかと予想していた。そんな中で1対1になって、自分の間合いでいけた。あっちはステイすると思っただろうけど、一気に飛び出して、自分の間合いにできた」

 経験豊富な守護神だからこそ、落ち着いた判断ができた。このシーンだけでなく、この日は終始、冷静なプレーを披露。そして最後尾から声を出し続けた。9月18日のリーグ・C大阪戦以来、公式戦4試合ぶりの完封に導いた。

 試合前から、声でチームを激しく鼓舞していた。「今日は円陣のときに意思統一したいなと思って『流れはあっちにある。ホームで連勝していて、流れがある。流れを打ち消すのは、泥臭ささだ』と言った。『あっちは、スライディングをしたり球際に強く行くことで、サポーターが喜ぶチームだ』と。『それを1やられたら2やろう。2やられたら3やろう。泥臭さで流れを勝ちとろう』と話した。それがうまくはまった」と北野は明かした。

 結果、浦和にリーグ戦とナビスコ杯を合わせて5試合ぶりの白星をつかんだ。残留争いに向けて大きな白星となったが、勝って兜の緒を締めた。「この勝ちはチームにとって素晴らしい結果だと思うけど、2-0にできるチャンスがあった。終わって最後、お風呂で選手に話したんですけど、1-0で勝てて、神様がついていたけど、2-0、3-0にできた試合だった。そういうところを詰めないといけないと。チャンスはあったので、2-0にして勝たないとダメだと締めた」。北野は試合後にチームメートに厳しい言葉を投げかけたという。

「きょうは泥臭さで流れを引き寄せたといっても過言ではない。勝利のポイントは泥臭さです。泥臭ささが大事な事は、チーム全員がわかったポイントだと思う。次の王者(名古屋)を相手にも泥臭さをテーマに戦いたい。ユニホームが緑色になって、ぐちゃぐちゃになるくらい戦わないといけない」

 北野は言葉に力を込めた。勝ち点を35に伸ばし、暫定13位としたが、まだ残留が決まったわけではない。次節22日は優勝争いをしている名古屋と戦う。厳しい試合が続くが、経験豊富な守護神はピッチ内外でチームを引っ張る。

(取材・文 近藤安弘)

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