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大宮は今季初の連勝ならず、混沌とする残留争い

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[10.22 J1第30節 大宮2-3名古屋 NACK]

 残留争いから一歩抜け出したかに思われた。大宮アルディージャは0-1の後半19分にFWラファエル、同21分にMF東慶悟と連続ゴールで試合をひっくり返しながら、痛恨の逆転負け。前節・浦和戦(1-0)に続く今季初の連勝を逃した。

 この日、堀孝史新監督の初陣で9試合ぶりの勝利を飾り、暫定15位に浮上した浦和との勝ち点差は3に戻った。暫定16位に後退した甲府が仮に明日23日の清水戦に勝てば、勝ち点2差に詰め寄られ、再び大混戦となる。

 4試合を残し、大宮は勝ち点35。例年ならほぼ安全圏に入ってきており、あと1勝すれば、過去のデータで言えば、降格の可能性はゼロになる。J1のクラブ数が18チームとなり、下位3チームが降格あるいは入れ替え戦に回る制度になった05年以降、勝ち点38を取って16位以下になったチームはない。

05年:15位清水(39)、16位柏(35)
06年:15位甲府(42)、16位福岡(27)
07年:15位大宮(35)、16位広島(32)
08年:15位千葉(38)、16位磐田(37)
09年:15位山形(39)、16位柏(34)
10年:15位神戸(38)、16位F東京(36)
※( )内の数字は勝ち点


 しかし、今季は甲府がここに来て4戦3勝とハイペースで勝ち点を積み上げ、浦和も指揮官交代で巻き返しの兆しを見せている。残留ラインが例年以上に高くなる可能性があり、これまでギリギリのところで残留してきた大宮としても最低でもあと1勝、できれば2勝したい状況だ。

「全体を通していい試合ができていた。逆転されて負けたことは反省すべきところだけど、次につながる試合だった」。前年王者と打ち合い、あと一歩のところまで追い詰めた試合内容を東は評価。あくまで前を向き、「次はアウェーだけど、勝って帰ってきたい」と、次節11月3日の川崎F戦に気持ちを切り替えていた。最終節に今季まだ1勝のホームで甲府との直接対決を残す大宮。それまでにどこまで勝ち点差を付けておけるかが残留へのカギとなる。

(取材・文 西山紘平)

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