beacon

主力3人出場停止の3位徳島は1点を死守、被シュート20本も逃げ切る

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.12 J2第35節 栃木0-1徳島 栃木グ]

 3位徳島ヴォルティスがFW津田知宏の先制点を守り抜き、栃木SCに1-0で競り勝った。MF柿谷曜一朗、DF三木隆司、DFペ・スンジンという主力3人を出場停止で欠いた一戦はシュート数でも7本対20本と苦しんだが、総力戦で勝ち点3をもぎ取り、昇格圏の3位をキープ。一方、栃木の昇格の可能性は完全に消滅した。

「なかなかゴールできなくて、チームに迷惑をかけていた。ああいう展開の中で点を取れて、チームに貢献することができてよかった」。試合後のインタビューで安堵の表情を見せた津田。立ち上がりから栃木の攻勢にさらされ、劣勢の展開を強いられる中、貴重な先制点を奪った。

 前半26分、左サイドからMF徳重隆明がマイナスに折り返したボールをMF倉貫一毅がシュート。DFに当たってゴール前にこぼれたボールに津田が素早く詰めた。相手GKより一歩早く追い付き、右足で浮かすチップキック。津田にとっては9月19日の岐阜戦(4-1)以来、10試合ぶり今季7点目となるゴールが値千金の決勝点となった。

 前半のシュート数は5本対11本。倍以上のシュートを浴び、栃木MF水沼宏太の右足ミドルがクロスバーを直撃するなど運も味方した。1-0で折り返した後半は防戦一方。わずかシュート2本に終わり、被シュートは9本を数えたが、選手全員が体を張り、1-0で逃げ切った。

 前節・愛媛戦は2点リードから後半ロスタイムに2点を失い、2-2のドロー。まさかの展開で勝ち点3を逃した。前節の悪夢を振り払う勝ち点3。90分間、前線から激しくプレッシャーをかけ、守備でも貢献した津田は「ハードワークできたこともあるし、目標に向かってみんなの気持ちが一つになって、強い気持ちで戦えた結果だと思う」と胸を張った。

 美濃部直彦監督は「メンバーが変わっても、強い気持ちでやってくれたことが勝利につながったと思う」と指摘。「昇格するのは簡単ではない。ほとんど相手ペースの中、アウェーで1点を取って逃げ切ったのは大きい」と、苦しみ抜いた末に手にした勝ち点3の重要性を強調した。

 残りはいよいよ3試合。次節19日の湘南戦後には27日に2位鳥栖との直接対決も控えている。美濃部監督は「一戦一戦戦っていくことは変わらない。まずは湘南戦に勝てるように全力を尽くしたい」と目の前の一戦に集中していた。

TOP