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わずかな希望をつないだ千葉、PKの1点で7戦ぶり白星に「情けない」

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[11.12 J2第35節 千葉1-0鳥取 フクアリ]

 6位ジェフユナイテッド千葉はPKによる虎の子の1点を守り抜き、わずかながらに昇格の望みをつないだ。ガイナーレ鳥取に1-0で競り勝ち、10月2日の愛媛戦(1-0)以来、7試合ぶりの白星。勝ち点を55に伸ばし、順位を5位に上げたが、3位徳島、4位札幌がいずれも勝ったため、勝ち点差は詰まらず、残り3試合で昇格圏まで勝ち点7差という厳しい状況が続いている。

 負ければ数字上も昇格の可能性が消滅する崖っ縁の一戦。3連敗中のホームで何とか勝ち点3をもぎ取ろうと、立ち上がりから果敢に攻め込んだ。前半31分、MF伊藤大介の右CKのセカンドボールをDF渡邊圭二がPA外から狙うが、DFがブロック。同36分には伊藤の右FKに17試合ぶりの先発となったFWオーロイがヘディングで合わせたが、GK井上敦史が足でセーブした。

 一方的に押し込みながらゴールを奪えず、前半を0-0で折り返すと、後半7分にも決定機をつくった。左サイドを突破したMF深井正樹のクロスに伊藤が飛び込むが、ヘディングシュートはGKがセーブ。跳ね返りに後半開始から出場のFW大島秀夫が詰めたが、これもGK井上が体を張ってゴールを死守した。

 チャンスをつくりながら1点が遠い千葉に待望の先制点が生まれたのは後半11分だった。MF佐藤勇人の左クロスがDF鈴木伸貴のハンドを誘い、PKを獲得。これをFW米倉恒貴が豪快に蹴り込み、ようやく均衡を破った。その後もチャンスをつくったが、やはり決定力を欠く。2点目を奪えず、終盤は鳥取の反撃も受けるなど冷や汗をかきながら何とか勝ち点3をもぎ取った。

 佐藤勇は試合後のインタビューで「勝ち点3を取ったけど、なんか情けなくて、喜んでいいのか複雑です」と率直な思いを吐露した。「前半のうちに1点取れればよかったし、後半も追加点を取らないといけなかった。そこの甘さが勝ち点を取れない要因だと思う」。勝ったとはいえ、今季を象徴するような試合内容に喜ぶことはできなかった。

 それでも、わずかな希望ながらJ1復帰の可能性を残したことも確か。残り3試合に向け「最後までチームで、クラブで全力で戦って、少しでもサポーターの方にまた応援しようという気になってもらえるようにやるだけです」と決意を口にしていた。

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