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F東京を目覚めさせたポポヴィッチ監督の檄「サインが欲しいのか!!」

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[3.16 J1第2節 F東京3-2名古屋 味スタ]

 ハーフタイム、FC東京のロッカールームは凍りついたという。ポポヴィッチ監督の雷が落ちたのだ。

 ハーフタイムが終わってピッチに登場したF東京イレブンは、前半とはまるで違うチームのように躍動した。DF徳永悠平は「監督も怒っていたんでね」と言うように、ハーフタイムの喝が、チームを動かした。

 ちょうど1週間前、開幕戦の大宮戦も前半は劣勢だった。ただし「前回はまだACLの直後というエクスキューズがあったけど、今回は1週間この試合に向けて準備をしていたのでね」とMF羽生直剛が話すように、万全の準備をして臨んでいたはずだった。だからこそ指揮官の檄は激しさを増した。MF石川直宏はこう話す。

「すごかったですね。大宮戦のときは、僕はベンチスタートだったのでウオーミングアップをしていたので知らなかったのですが、ほかの選手に聞いたら『前回のときよりすごかった』と言っていましたよ」

 気になるのは、その内容だ。監督は何を言ったのか?

「選手たちは名古屋を相手にリスペクトをし過ぎていましたよね。だから、『おまえたちは名古屋の選手たちのサインが欲しいのか? サインを欲しがるのではなく、サインを求められるような存在になれ』とハーフタイムに話しました」

 そう穏やかに振り返った監督。監督が、知り合いと話している隙に、こっそり通訳の塚田貴志氏に聞いた。本当にあんなにユーモアのある言葉でしゃべったのですか? 塚田氏は「ノーコメントですが、僕の声でなんとなく分かるのではないでしょうか」と、ガラガラのかすれ声で答えてくれた。

 選手たちも口々に「怒られてからやるのでは遅い」と反省をしている。試合後の塚田氏の声がはっきりと聞き取れる状態になったとき、おそらくF東京は、今日以上にスペクタクルなサッカーを、90分間にわたって見せてくれているはずだ。

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