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リーグ戦初黒星のF東京・ポポヴィッチ監督「次は違う結果を出す」

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[3.31 J1第4節 F東京0-1広島 味スタ]

 FC東京は広島戦で、負傷したMF梶山陽平、第3節の神戸戦(2-0)で一発退場となったMF長谷川アーリアジャスールを欠いていた。2人の欠場についてDF太田宏介は「不在の影響は特に感じなかった。選手は一人ひとり特徴が違うのは当然ですから、やりにくくなかったし、普段通りにできました」と語る。MF高橋秀人も「誰が出ても同じプレーを出せると思っている」と同調する。

 しかし、守備を固める広島を相手に、密集でも抜群のキープ力で相手をかわし、マークを引き付けて周囲にスペースをつくることのできる梶山不在の影響は特に大きかったように見えた。その点について、ランコ・ポポヴィッチ監督は「バルセロナだって、メッシとイニエスタを欠けば影響は出るでしょう」と口にした。だが、その後に「2選手を欠いても、やるべきことは変わらないことは示せたと思います」と付け加えている。梶山と長谷川が、メッシとイニエスタと同様に重要だということを言いたかったのではない。指揮を執って約2カ月半で、ベンチにいた選手たちにも、目指すスタイルが浸透していることに手応えを感じていたのだ。

指揮官は結果と同様に、試合内容も重視する。では、試合内容はどうだったのか。F東京はボールを支配して攻める姿勢を90分間にわたって示し続けた。これまで主力として戦ってきた中盤の2選手を欠いた中でも、チームの方向性を維持した戦い方ができたことを指揮官は評価している。

「自分がスタメンで出た試合で連勝が止まってしまって申し訳ない。引きずらずに練習して、次は勝てるようにしたい」と話したMF田邉草民、「動いてボールを受けようとしたが、守備ブロックがあって自分の形で受けられなかった」と振り返ったMF大竹洋平。田邉は今シーズン初先発であり、大竹は公式戦初出場だった。ともにピッチ内で課題を見つけ、試合を終えている。もちろん、それは他の選手たちも同様だ。

 長いシーズンの中で、この日のように守備を固めた相手を崩せずに敗れる試合があることは、織り込み済みだったのだろう。ボールを敵陣まで運ぶことはできていた。では、そこから相手ゴール前で、どうやって守備ブロックを崩していくのか。これは今後、チームが取り組んでいく課題であり、この試合で選手たちもその必要性を認識したはずだ。

「最後の部分でうまくいかなかった。次に対戦するときは、その部分を改善して、違う結果になるようにしたい」と、ポポヴィッチ監督は言う。これはF東京のチームづくりが、次のステップに進む合図かもしれない。

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