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[Y☆voice159]横浜FMユースMF喜田拓也「トップの選手はサッカーに懸ける気持ちがユースの選手と全く違っている。ボクらも懸けないといけない」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第159回目は横浜F・マリノスユース(神奈川)MF喜田拓也選手(3年)です。

 昨年のU-17W杯にも出場したボランチは今季、トップチームのナビスコ杯札幌戦でベンチ入り。守備能力の高さとサッカーへ取り組む姿勢の強さは大きな信頼を得ている。名門復活を期すユースチームの中心として、またトップチーム昇格を懸けた重要な1年をどのような思いで臨むのか(取材日:4月8日)

―プリンスリーグ開幕戦の市立船橋戦は0-4で完敗に
「この開幕に合わせて準備して来た中で、前半なんか特に個人の良さが出ないし、チームとしてもやることが徹底していなかった。自分がやらなきゃいけないという自覚も一人ひとりが全然足りなかったし、市船に全部抑えられたという感じで完敗ですね」

―開幕戦へ向けて松橋監督からも厳しい声があったと思うが変われなかった
「自分が試合の中でやっている中では、他の選手の戦う気持ちであったりとかはきょうに関してはあまり感じられなくて、自分がプレーだったり声で引っ張っていければ良かったんですけど、あそこでチームとして悪い流れを断ち切れないままズルズル失点してしまった。失点も自分たちからのミスなので、そういうところに甘さが出たのかなと思います。監督からも『やっているヤツとやっていないヤツの差が激しい』という言葉をかけられていて。自分がやっているとは言わないですけど、自分の中では周りに気を配りながら、最上級生として引っ張っていかなければいけない状況でもある。そういう面で周りを変え切れなかった自分もそうですけど、一人ひとりの自覚が足りなかったと思います」

―チーム全体で闘争心が欠けていたが、下級生として試合に出場していたときと雰囲気が違う?
「去年よりもむしろいい気がしていたんですけど、やっぱりこういう舞台では甘さが出る。きょうは何もさせてもらえなかったので、この敗戦を無駄にしないこと。遅いですけれどみんなも肌で感じたと思うので、3年生だけとか、ボクだけでなくてみんなその気持ちを共有できればいい方向へ向かっていくのではないかと思う。次、また一週間後に試合があるので、できる修正点をみんなで修正して勝ちたい」

―今年のチームの良さは?
「個人で打開できる選手が何人もいるし、ドリブルで運べる選手とかが前線にいて、開幕前でも点を取れない試合はなかった。必ず点は取っているので、あとは守備が安定すればというところだったけれど、失点を重ねてしまった」

―トップチームから戻ってきたばかりで落差を感じたとも思うが
「この段階で試合には出れていないですけれど、ベンチ入りできたことは凄く大きな経験でした。近くで見ていて感じたことは、トップの選手はサッカーに懸ける気持ちがオレらと全く違っていて、『これに懸けているんだ』という気持ちが一緒にやっていて凄く伝わってきましたし、そういうところに凄く差を感じました。ボクら学生とは言え、こういう環境にいる中でそこにボクらも懸けないといけないですし、絶対にサッカーでは負けちゃいけないと思う。まだ一人ひとりの気持ちが全然弱いのかなと思いました。結果を残さないといけないと思います」

―喜田選手自身もトップ昇格を懸けた大事な一年になる
「自分はボランチだし、攻撃も守備もできないといけない。まずは守備は得意としているので守備で脅威になること。攻撃ももちろんですけど、守備でも『アイツのところへ行ったら止められる』という相手にとって脅威になるプレーヤーになれたら、必然的にトップ昇格という結果もついてくるのかなと思います。ユースでやらないことにはトップでもできないと思うので、ユースでしっかりと結果を出すことからやっていければと思います」

―今年はチームを変えないといけない役割も担う
「中心としてやっていかなければいけない。アンダー17(U-17W杯)もそうですし、この段階でトップの試合に絡めたこともそうですし、いろいろ経験してきている身だし、周りにその経験を伝えていくことも自分の力だと思っている。自分だけで留めちゃダメだし、言葉もそうですし、プレーでもいろんな面でチームを引っ張っていけるようにこれから頑張っていきたいですね」

―名門復活をしなければならない
「去年も全国とか全然出れなくて不甲斐ないシーズンだった。その苦しい1年だったからこそ、いろいろ苦しい経験もできたと言ったらおかしいですけど、そのような経験ができたので、去年1年間の反省を今年無駄にしたら意味ないよとみんなで言っている。無駄じゃなかったとみんなで言えるように『今年やっていこう』という話だった。きょうは甘さが出ましたけれど、次活かせるように(オフ明けの)火曜日からしっかりとやっていきたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)

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連載:「Youth star voice」

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