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ACL初挑戦のF東京、決勝T進出決定

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[5.2 ACL GL第5節 F東京4-2ブリスベン・ロアー 国立]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は2日、グループステージ第5節を行った。引き分け以上で決勝トーナメント進出の決まるFC東京は、ホームにブリスベン・ロアー(オーストラリア)を迎えている。開始直後から点の入った一戦は、激しい点の取り合いとなり前半だけで両チーム合わせて5ゴールが入った。後半も15分にFW渡邉千真の試合2得点目を挙げて、4-2。その後、ブリスベンに得点を許さずに勝利し、16強進出を決めた。

 F東京の布陣は4-2-3-1。「ずっと出続けている選手を休ませる意味もある」と話すランコ・ポポヴィッチ監督は、これまで出場機会の少なかったDF椋原健太をスタメンで起用した。最終ラインは右から徳永悠平、チャン・ヒョンス、森重真人、椋原健太。中盤の底に高橋秀人と長谷川アーリアジャスール。中盤の2列目には羽生直剛、梶山陽平、谷澤達也。1トップに渡邉千真が入っている。

 立ち上がりF東京は、最終ラインからボールをつなぐブリスベン・ロアーに先制点を許してしまう。前半4分、左サイドでFKを与えると、ゴール前でFWベアート・ベリシャにヘディングシュートを許す。これが右ポストに当たり、再びベリシャの前にこぼれたところを押し込まれて、いきなり0-1と先制される。

 ここまでACLで無敗のF東京もすぐに反撃に出る。同5分、右サイドからの折り返しをDFがクリアーすると、MF梶山陽平が拾って、シュートを放つ。これがDFに当たったところをMF高橋秀人が回収し、右足を振り抜くと、ボールは左ポストに当たってゴールの中に入る。先制を許してからわずか1分で、F東京が同点に追いついた。

 ブリスベンにボールを回されるが、決定的なチャンスをつくらせないF東京は、同17分にチャンスをつくる。右サイドのDF徳永悠平からパスを受けたMF羽生直剛が、ゴール前でワンツーパスのリターンを受けてシュートを打つ。これはGKの正面でキャッチされる。同20分にはMF長谷川アーリアジャスールが中央でボールを持ち出し、右サイドの渡邊にパス。右サイドから渡邊が折り返すと、ニアで長谷川がDFを引き連れる。ファーサイドにタイミング良く走り込んだDF椋原健太が、これに合わせて2-1と逆転した。

 同27分には高い位置でボールを奪った梶山が、DFをかわしてゴール前にループパスを送る。FW渡邉千真には合わなかったが、ショートカウンターから一気にゴールに迫る。その後、互いにチャンスがつくれなかったが、同32分、FWトーマス・ブロイヒに左サイドの裏に入られると、そこからパスをつながれる。最初のシュートはDF森重真人がブロックしたが、こぼれ球をブロイヒに押し込まれ、2-2の同点となる。追いつかれたF東京は、その後も押し込まれる展開が続く。前半39分にはMFルーク・ブラッタンのミドルシュートが枠内を捉えるが、GK権田修一がパンチングで弾き出す。

 同42分には、左サイドでMF谷澤達也のFKから長谷川がゴールを狙ったが、シュートは上に外れた。その1分後、PA内でボールを受けた渡邉が相手DFに倒されて、PKを獲得。これを渡邉自身が決めて、3-2でと再びリードして前半を折り返す。

 後半に入り、前線から激しくプレスに行くF東京は、最終ラインで相手のミスを誘う。後半10分には徳永がボールを奪いパスをつなぐと、再びボールを受けてクロスを入れたが、DFにクリアーされる。徐々にブリスベンの足が止まり、F東京が完全に主導権を握る。後半15分には谷澤のスルーパスを受けた渡邉がGKとの1対1を制して、4-2とリードを広げる。

 17分、2点のビハインドを背負ったブリスベンは、2選手を交代する。FWジェイムズ・メイヤーを下げて、MFミッチ・ニコルズを投入。さらにMFルーク・ブラッタンに代えて、FWロッキー・ビスコンテを送り出した。同22分にはDFモハメド・アドナンを下げ、DFマシュー・ジャーマンを投入し、交代枠を使い切った。ボールを回して、両サイドからチャンスをつくろうとするブリスベンだが、決定機はつくれない。

 同28分にはF東京も2得点を挙げた渡邉を下げて、FWルーカスをピッチに送り出した。同33分には羽生のスルーパスを梶山がボールを受けて、ゆったりとしたドリブルからシュートに持ち込んだが、DFにブロックされる。ここでF東京は羽生に代えてMF米本拓司を左SHに入れて、左サイドの守備を強化した。

 F東京はビルドアップの段階でミスが目立ち、ボールを前に運べない。相手のFP全員がF東京陣内に入り、プレーする時間が続く。同40分には梶山を下げて、MF石川直宏をピッチに送り出した。石川が左に入り、米本がトップ下の位置に入る。対するブリスベンは最後までパワープレーに出ず、パスをつないで攻めた。後半ロスタイムには、右サイドからのクロスがクロスバーを叩いたが、追加点は挙げられないままタイムアップ。F東京が4-2で勝利し、ラウンド16進出を決めた。

(取材・文 河合 拓)

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