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千葉が今季5度目の1-1、巻「早く白星ほしい」

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[4.11 J1第5節 千葉1-1磐田 フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉が、またしても追いつかれての1-1ドローに終わった。これで今季公式戦7試合(5分2敗)のうち5試合が1-1。しかも4試合は先制しながら追いつかれるパターンだ。

 勝ち切るチャンスはあった。前半の45分間は完全に千葉のゲームだった。前半19分にはMFアレックスのFKからゴール前でDF那須大亮と競り合ったFW巻誠一郎がオウンゴールを誘い、先制点。同37分にもFW深井正樹のシュートがクロスバーに弾かれる絶好機があった。

 4-3-3へのシステム変更が奏効した。中盤のアンカーにMF斎藤大輔を置き、その前方に位置するMF工藤浩平、アレックスが流動的に前線に飛び出した。巻と3トップを形成する深井、谷澤達也も巻と近い距離を保ち、巻が競り合ったこぼれ球を拾い、厚みのある攻撃を生んでいた。

 これまでの試合は前線で孤立気味だった巻も「やりやすい部分はあった。中盤と前線のラインがコンパクトだったし、高い位置でボールを取れた」と言う。谷澤も「前半は選手の距離が近かった。パスをつなぐ意識もあって、そのへんが変わったかなと思う」と手応えを口にする。

 しかし、その前半に勝負を決められなかったことが、後半の悲劇につながった。「後半は(磐田の)両サイドが高い位置を取って起点をつくられて、相手の時間になった」と谷澤。磐田は右サイドのMF太田吉彰が中央寄りに入ることで、アンカーの位置でフリーだった斎藤がセカンドボールを拾えなくなる。太田が中に絞ることでDF駒野友一がオーバーラップするスペースも生まれた。後半は一転して磐田がペースを握った。

 後半29分のFKのピンチには、エアポケットに入られたFW前田遼一にフリーでヘディングシュートを許し、同点ゴールを献上。「失点してからガクッと来た」(巻)と「1-1の呪縛」にとらわれた。

 巻を生かし切れなかったこれまでの試合からは前進した。攻撃の形は見え始めたし、前半は運動量も多く、アグレッシブに戦っていた。あとは追加点を取るべきときにしっかり取ること、失点しても下を向かないことだろう。巻は「もっと強い気持ちを持ってプレーしないと。一番自信になるのは勝ち点3だし、形は良くなってきたけど、勝ち点3が取れずに悪循環になるのは良くない。早い時期に白星がほしい」と切実に訴えていた。

<写真>千葉FW巻(18番)
(取材・文 西山紘平)

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