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山田直を欠いた浦和はリズムつかめず、埼玉ダービーは1-1ドロー

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[5.24 J1第13節 大宮1-1浦和 埼玉]

 J1第13節は24日、各地で4試合を行い、大宮アルディージャ浦和レッズが対戦。大宮は前半8分、DFパク・ウォンジェのゴールで先制したが、浦和も前半35分にDF細貝萌が同点ゴールを決め、埼玉ダービーは1-1の痛み分けに終わった。

 大宮は4-4-2のシステムで、GK江角浩司、4バックは右から波戸康広、片岡洋介、マト、パク・ウォンジェと並んだ。中盤は金澤慎と橋本早十のダブルボランチ、右に藤本主税、左にデニス・マルケス。藤田祥史と石原直樹が2トップを組んだ。
 FW田中達也、MFポンテが負傷離脱中の浦和は日本代表に初選出されたMF山田直輝も出場停止。こちらも4-4-2で、GK都築龍太、4バックは右から山田暢久、坪井慶介、田中マルクス闘莉王、細貝萌。中盤は鈴木啓太と阿部勇樹がダブルボランチを組み、左に原口元気、右にエスクデロ・セルヒオが入り、2トップは高原直泰とエジミウソンだった。

 立ち上がり、ペースを握ったのは浦和だった。小気味よくパスを回し、大宮を押し込む。前半7分には高原のポストプレーから阿部が右足ミドルを狙うなど、試合の主導権を握るかと思われた。

 ところが、前半8分、意外な形で大宮が先制する。左サイドでロングフィードを受けたパクが山田暢をドリブルでかわし、ゴール前にクロス性の低いボールを入れると、これが坪井に当たって角度が変わり、浦和ゴールに吸い込まれた。

 事故とも言える失点だったが、浦和にさらにアクシデントが襲う。左太腿痛で20日のナビスコ杯・大分戦を欠場した闘莉王が前半18分ごろ、自らベンチに向かって×印を出し、交代を要求。わずか21分間で途中交代を余儀なくされた。

 浦和は闘莉王に代えてDF三都主アレサンドロを投入。阿部をセンターバックに下げ、細貝をボランチに、三都主を左サイドバックに入れて対応した。

 その後もボールを回すことはできた浦和だが、相手ディフェンスを崩してシュートで終わる形まではつくれず、中途半端な位置でボールを奪われてはカウンターを招いた。

 大宮は完全なカウンター狙いで、鋭い速攻でチャンスをつくる。前半25分、藤本の縦パスから石原、藤田とつなぎ、決定的な形をつくったが、藤田のシュートはゴール左に外れた。前半34分には橋本の左CKからマトがポスト直撃のヘディングシュートも放った。

 カウンターから何度も冷や汗をかいていた浦和だが、前半35分、お返しとばかりにカウンターで同点ゴールを奪う。相手CKのカウンターからエジミウソンが力強いドリブルで前に運んで左サイドに展開。左クロスを相手DFが跳ね返したボールを細貝が右足ダイレクトでゴール左隅にねじ込んだ。

 1-1で折り返した後半も浦和がボールを回し、大宮がカウンターを狙う展開が続いた。ただ、山田直を出場停止で欠く浦和は、運動量豊富にスペースに顔を出す選手が少なく、攻撃に連動性が出ない。

 大宮は後半7分にもカウンターから藤本、藤田とつなぎ、後半から出場のMF土岐田洸平がゴール前に走り込み、右足でシュートを狙うなど浦和よりも決定機をつくれていた。

 なかなか本来のパス回しを見せられない浦和にとっては、じりじりと時間だけが過ぎていった。後半20分、細貝のスルーパスを受けたエジミウソンがドリブル突破を仕掛けると、そのこぼれ球を原口が素早く右足でシュートを打ったが、惜しくもゴールポストに弾かれた。

 シンプルな形ながらチャンスをつくる大宮も決定力を欠き、勝ち越し点を奪えない。後半27分、波戸のスルーパスを受けた土岐田のシュートは左にそれ、同29分、ロングボールの競り合いから阿部とうまく体を入れ替えて抜け出した藤田のシュートもゴールの枠を捉えきれなかった。

 浦和は後半28分、ミスの目立ったエスクデロに代えてMF高橋峻希を投入。同35分には右足をつった原口を下げてMF林勇介をピッチに送り込んだ。後半ロスタイムには高橋が左サイドを深くえぐってゴール前に折り返し、フリーのエジミウソンがシュート。しかし、この試合最大の決定機もクロスバーに弾かれ、試合は1-1のまま終了した。

<写真>大宮DFマト(3番)と浦和FW高原(19番)
(取材・文 西山紘平)

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