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ともにアジアの頂点へ…浦和DF酒井が語るサポーターへの思い「一緒に戦っている。“すばらしい”はふさわしくない」

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DF酒井宏樹

[8.19 ACL決勝T1回戦 浦和5-0ジョホール 埼玉]

 浦和レッズは“ホーム”埼玉スタジアム2002で三度目のACLの頂点に向け、最高の勝利を飾った。声出しが認められたゴール裏からは、サポーターが大きな声援で選手たちを後押し。DF酒井宏樹は「12番目の選手だと、お世辞とかそういうのではなくみんなが思っている。そこは僕らも頼りにしています」とサポーターへの思いを口にした。

 酒井は右サイドバックでフル出場。チームは冷静に序盤から試合を運ぶと、前半8分に先制する。右CKの流れからPA内で酒井が果敢にボレー。ボールにミートはしなかったが、ゴール前のMF松尾佑介にわたり、相手のファウルを誘発。先制点となるPK奪取につながった。

 右サイドではMFダヴィド・モーベルグとコンビを組みつつ、MF伊藤敦樹との連係から攻撃を円滑化させた。「(モーベルグは)2人で崩すところ、彼一人で崩して僕が後ろにいるところ、いまは行かないところの感覚が似ている。お互いが共有できている。そこに最近は敦樹や松尾も。空間のコンビネーションがうまくいっている。時間のロスがあまりない」(酒井)。今季新加入選手や若手との融合に、手応えを語った。

 日本での集中開催となり、会場は浦和のホーム・埼玉スタジアム2002となった。今月10日のルヴァン杯に続き、浦和サポーターが選手の背中を声で後押し。ゴール裏から響く強大なエールは、選手たちを奮い立たせた。酒井はあえて同じ目線で“同士”たちへの感謝を語る。

「僕はあまり有難いという言葉は使いたくない。やはり僕らよりACLを知っている。一緒に戦っているので。そこに関して有難いとか、すばらしいとかはふさわしくない。これだけ僕らにとってアドバンテージがある大会なので、必ず一番上まで行かないといけない。それに向けての12番目の選手だと、お世辞とかではなくみんなが思っている。そこは、僕らも頼りにしています」

 以前からACLへの思いを口にしていた酒井。4月のグループリーグを戦い抜いた後には、3月から保存療法を続けていた右足第5中足骨骨挫傷の手術を行っており、そのときのリリースで「手術まで長引いてしまいましたがACLが僕の移籍した時の目標だったので後悔は全くありませんし、それを汲んでプレーさせてくれていたチームにとても感謝しています」と胸中を明かしていた。

 現状について「とにかく骨のその痛みがないので、全然違います」と改めて復活をアピール。「いい状態ではあると思いますけど、まだまだ改善しないといけない部分が、僕も含めてチームにはある。3試合のうちの1試合。一喜一憂せずに気を引き締めてやっていきたい」。年明けの決勝に進むべく、残る2連戦での勝利を誓った。

(取材・文 石川祐介)
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