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川崎FはACL全勝継続も…簡単なボールロストで2度のリード失う、鬼木監督「非常に軽いプレーがあった」

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鬼木達監督

[11.7 ACLグループI第4節 川崎F 4-2 パトゥム・U 等々力]

 悲願のタイトルであるACLで、グループリーグ4試合での全勝を継続させた。川崎フロンターレはパトゥム・ユナイテッドに4-2で勝利。しかし鬼木達監督は「入りは悪くなかった。ただ得点後、それ以外もですけど、非常に軽いプレーがあったと思っています」と語気を強めた。

 J1リーグの優勝争いから外れ、残る今シーズンのタイトルは決勝を控える天皇杯とACLとなった。前節を4-2で終えると、今節も再び4-2。前半は2度のリードを元チームメイトのチャナティップに追いつかれるという苦しい展開となった。チャナティップから食らった失点はいずれも簡単なボールロストから始まった。1失点目はGKチョン・ソンリョンのパスミス、2失点目は得点直後に自陣近くでボールを失った流れからゴールを決められた。

 鬼木監督は試合後にチャナティップと対面。称賛しつつも「非常に苦しくなったよ」と冗談交じりに伝えたという。「局面でボールをどんなところでもビタビタ止める。スルーパスも出すし、なおかつフロンターレにいるときはそんなにゴールを取っていなかった。彼らしいプレーが多く、うまくなったねと話しました」。勝利したからこそのコメントだが、連勝ストップという最悪の展開も十分にあり得た展開だった。

 指揮官は2度のリードを失った要因に、得点による緩みを挙げる。

「ゴールができたことで少し緩みが出始めた。自分たちのミスから追いつかれて、またゴールというところもあった。しかしどちらもPKのところで、多少みんながホッとしていた。そういうところで何かこう、良くないゲームだった」

「いろんなところで球際をこぼしている。そういった中でも点だけが入っていたので、そこが修正しきれなかった部分。そういう落とし穴は年間通してあるので、きょうのゲームでも出たのかなと。本当にひっくり返されてもおかしくないシチュエーションだと思う」

 会見に同席したMF脇坂泰斗も「自分たちで苦しくしてしまったゲーム」と総括。2ゴール1アシストという内容にも、チーム全体で「結果以外はあまり良くなかった」とまとめた。それでも鬼木監督は最後に収穫も語る。「前半が終わって帰ってきたときに、選手間でもこのままじゃいけないという話が出ていた。そこはひとつチームの成長。いつもだったら少し静かで、自分が話すまで時間を待つところもある。今回はそうでなかった」。その成果である後半2得点。苦境の中で見出した成長の証となった。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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