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延長後半終了直前のPK奪取「確実にハンドだなと」横浜FMのACL初8強に貢献した村上悠緋

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右SB村上悠緋が相手のハンドを誘発

[2.21 ACL決勝トーナメント1回戦第2戦 横浜FM 1-0(延長) バンコク・U 横浜国際]

 クラブの歴史を変えるプレーとなった。横浜F・マリノスはACL準々決勝進出を決め、クラブ史上初のベスト8。後半44分に右SBとして出場したFW村上悠緋は、延長後半終了直前に相手のハンドを誘発し、PKを獲得した。

 本職の前線ではなく、昨シーズンもプレーした経験のあるSBでの起用となった。それでもキャンプでウイングをやっていたことで「SBとのコミュニケーションは自分も少し頭に入っていたので、頭に入れていた部分がプレーに少しは出せた」と手応えを語る。

 試合は0-0のまま延長戦に突入するも、そのまま時間が過ぎていく。延長後半13分、バンコク・ユナイテッドのクリアを右サイド中盤で収めた村上は、FWヤン・マテウスからパスを受けてそのまま右サイドの深い位置まで突破。タッチラインを割る寸前で右足クロスを上げたが、MFウィサルット・イムラにブロックされた。

 しかしその直後、村上はウィサルットのハンドを主張した。「クロスを上げた場所もそうですし、当たった瞬間の音もそうですし、確実にハンドだなと思いました」。村上はPAラインの外からクロスを上げたが、ウィサルットはPAラインの内側でブロック。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでそれが認められ、後半アディショナルタイムにPKを獲得した。

 120分を通して攻め続けた横浜FMは35本以上のシュートを放っていた。だが、相手の堅守に阻まれてPK戦の可能性も大きくなったところでの絶好機。「PKという最高のチャンスが、得点するチャンスがやっと来たなと思いました」(村上)。頼れるエース、FWアンデルソン・ロペスが冷静にPKを決め切り、横浜FMが1-0で準々決勝進出を決めた。

 ハリー・キューエル新監督から求められていたことは、PK奪取にもつながった縦への突破だった。「チームとしても縦の動きが少なかった。そこを意識して入ったときからそれを続けた結果、自分の仕掛けからPKを獲得することができた。求められていることをやるということはすごく重要だと思った」。新監督体制下での、本職ではないポジションでも「大体やりたいサッカーというのも同じ方向。 自分の持ち味を出すだけだと試合に臨みました」。持ち味発揮に努めた結果のPK獲得だった。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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