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[クラブユース選手権(U-18)]日本一を掴むにはまだ足りなかった「経験」、好チーム・仙台ユースは準決勝で力尽く

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[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)大会準決勝 横浜FMユース 2-0 仙台ユース ニッパ球]

「[『いい経験』で終わってしまうチームなんですよ、まだ。『悔しかったね』じゃなくて。ここに来るクラスはいい経験をしておかなくちゃいけないんですよ。ベスト4に来るクラスは。これくらいのゲームを毎週する。足りないとしたらそこでしょうね」。0-2で敗れた試合後、ベガルタ仙台ユースの越後和男監督はそう口にした。

 クラブの歴史を塗り替える初の全国ベスト4。プレミアリーグ勢の清水ユース、名古屋U18との死闘を勝ち抜いて初の準決勝まで到達した。選手たちは満足することなく「優勝」を口にし、左SB相原旭が出場停止だった準決勝でも十分に横浜FMユースと渡り合っていたが、わずかな隙、判断ミスが差となって敗戦。GK田中勘太は「チームが初めてのベスト4というのは嬉しいことだったんですけど、もうひとつ優勝に行くためにはベスト4で歴史を塗り替えたということよりも優勝目指して体調整えるとか、試合のことを考えていくということがまだまだ自分たちには足りない」と首を振った。今回の全国大会で「いい経験」をしたチームだが、日本一を狙うためにはこの「経験」をすでに積んでおかなければならなかった。

 普段、プリンスリーグ東北を戦いの場としている仙台。毎年のように優勝争いを演じているが、全国ベスト4の戦いの厳しさを知ったチームは、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグへ昇格して毎週、より厳しい戦いをしなければならないと感じている。それだけにU-18日本代表MF佐々木匠主将は「プレミアに上げて毎週、毎週そういった試合をやっていかないといけないと思いますので、僕らの代でプレミアに上げたいと思います」とプリンスリーグ東北で優勝し、参入戦を勝ち抜いてプレミアリーグへ昇格することを誓った。

 今大会急成長した2年生CB上田健介やチームの危機を何度も救った田中らが全国舞台で躍動した。今までなかった経験と自信を手にしたチームのこれからに注目だ。仙台はJユースカップでの優勝、そしてプレミアリーグ昇格を大目標にシーズン後半戦に挑む。

(取材・文 吉田太郎)
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