[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)大会準決勝 千葉U-18 0-1 大宮ユース ニッパ球]
　
　後半、大宮アルディージャユースの右サイドは突破口になっていた。右SB古谷優気は「前半は高い位置でボールを受けることが少なかったんですけど、マー坊(CB北西真之)からスペースに出されたボールを前に運ぶことによって、(松崎)快についていたDFが来て快が空く感じになっていた。後半は前に行くことを意識していたらボールを回すことができていたというか、右サイドを攻略できていたので自分の走るスペースもあった」と説明する。

　後半18分に生まれた決勝点も、右サイドのスペースを突いて駆け上がった古谷のクロスによって獲得したCKから生まれたものだった。本人は「クロスが全部ニアで相手に当たって。CKになったのはいいんですけど、もっと決定的なボールを上げられたらいいと思います」と首を振ったが、フィジカル能力の高さも活かして右サイドの仕掛け役となったSBは後半、大宮の攻撃を勢いづける役割を十分に果たしていた。

「メンタル強い方じゃない」というDFは試合序盤、硬さがあったというが、それでも「そういうときは走って身体を動かすしかない。後半は割り切って自分のやりたいプレーができた」と走って緊張を解し、後半は持ち味を発揮。元々CBで1対1の対応は力強い。終盤、捨て身の反撃をしてきていた千葉を封鎖する点でも古谷の貢献度は大きかった。

　主将を務めていた大宮ジュニアユース時代は全国大会決勝で2度敗戦。だが、キャプテンマークをMF黒川淳史に託している現在はプレッシャーを感じながらも思い切りよくできているという。CBからSBへ転向したのはユースチームに加入してから。ジュニアユース時代にCBでコンビを組んでいた左SB朝妻佑斗とともに両サイドからチームに活力を加えている。「元々FWやっていたので前に仕掛けるのは楽しいし、運動量を活かしてやれる。楽しんでやれています。(朝妻も自分も)技術なくてパワーと勢いだけなんですけど、決勝は両SBで点取るくらいでやりたいです」と笑った。

　目標はジュニアユース時代に成し遂げられなかった優勝だけ。「いつもここまで来るんですけど、ジュニアユースの時もあと一歩で優勝できなかった。もう一段階ギアを上げてみんなでタイトルを取りたいです」と誓った。

(取材・文　吉田太郎)

---

▼関連リンク
【特設ページ】第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会