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[MOM4363]鹿島ユースFW徳田誉(2年)_U-17代表・森山監督に猛アピール!! 怪我から復活を遂げた注目FWが土壇場で決勝弾

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土壇場で決勝点を奪った鹿島アントラーズユースFW徳田誉

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.26 クラブユース選手権(U-18)GL第3節 京都U-18 0-1 鹿島ユース 伊勢崎市華蔵寺公園陸上競技場]

 代表のエースは俺だ――。怪我に泣いた注目FWが結果を残し、視察に訪れたU-17日本代表の森山佳郎監督に完全復活をアピールした。

 鹿島アントラーズユースFW徳田誉(2年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース)にとって、今季の前半戦は試練の時だった。

 フィジカルの強さと抜群の得点感覚を評価され、1年次から活躍してきたストライカーはさらなる飛躍を目指して新シーズンを迎えた。しかし、4月下旬のU-17日本代表候補合宿で負傷し、代表活動から離脱。森山監督が率いるチームでエースと目されていたが、6月中旬に控えていたAFC U17アジアカップ(U-17ワールドカップ最終予選)を棒に振り、メンバーから外れた時は涙を流した。

 6月下旬に戦列に戻ったものの、コンディションが整わない。「フィジカル的な問題で動けていなくて、ゴールに絡んでいけないシーンが多かった」(徳田)。自身が離脱している間に他の選手が台頭したことも重なり、クラブではベンチスタートが定位置になっていた。

 迎えた今大会もスタメンから外れ、期する想いがあった。岡山(1-2)との初戦は無得点に終わったものの、2戦目のいわき戦(5-0)は2ゴールを挙げるなど、確実に状態は上向いている。だからこそ、予選突破が懸かる京都とのグループリーグ最終戦は完全復活を印象付けるためにもチームを勝利に導くゴールを欲していた。

「出場時間が長くなく、こういう試合で自分が決めないといけない」

 徳田の出番は0-0で迎えた後半9分。同組の岡山が大量リードしており、鹿島は勝利しなければ上には進めない状況での起用だった。

 ピッチに入ると、精力的に動いてチャンスに絡む。前半は決定機を作れなかったチームの流れを変え、前線で起点になりながら、ゴール前で強さを発揮した。

 後半11分と13分にシュートを放つと、15分には右サイドのクロスからこぼれ球に反応。ヘディングシュートは惜しくも枠を捉えられなかったが、ゴール前で相手の脅威になった。

 その後も積極的にゴールを狙うと、最後の最後に見せ場が訪れる。7分と表示されたアディショナルタイムだ。後半35+1分、右サイドから右SB池田健将(2年)がロングスローを入れると、クリアボールを繋いで徳田の下へボールが巡ってくる。対空時間の長いジャンプで相手に競り勝つと、得意のヘディングでネットを揺らした。

「今日は結構チャンスがあったし、コンディションも良かった。決めるチャンスはあると思っていたので、最後は(クリアされて)ゴール前でもらえなかったとしてもいくしかないと思っていた」

 土壇場でチームをノックアウトステージ進出に導く決勝弾。自身が怪我を負っている間に、U-17代表のライバルであるFW道脇豊(2年/熊本)は天皇杯3回戦で鳥栖から2ゴールを挙げ、U17アジアカップでも結果を残している。FW名和田我空(2年/神村学園)もU17アジアカップで得点王とMVPに輝いており、決勝で決めた直接FK弾は記憶に新しい。だからこそ、大一番での活躍を目論んでいた。

「自分が結果を残さないと生き残れない。ライバルたちがいるし、自分の価値はこういう試合で示すしかない」

 復活の狼煙を挙げるには十分すぎる活躍だったが、本人に慢心はない。試合後、出場時間が短かったため、居残りでシュート練習に励む徳田の姿があった。小笠原満男テクニカルアドバイザーとともにシュートを打ち込み、さらなる進化を求めて足を振り続けた。

「サッカーが大好き」と柳澤敦監督が評する徳田の戦いはまだ始まったばかり。11月に開幕するU-17ワールドカップで活躍するために、今夏の全国大会は負けられない。代表復帰に向けて、ゴールをさらに積み重ねていく。

(取材・文 松尾祐希)

●【特設】第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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