beacon

[AFCフットサル選手権2012]決勝進出も課題を口にするミゲル・ロドリゴ監督

このエントリーをはてなブックマークに追加
 日本代表を率いるミゲル・ロドリゴ監督は、オーストラリアに3-0で勝利したことを喜んだ。しかし、先に行われたタイとイランの準決勝に比べて、内容面で差があったことを認めた。決定機を生かせなかった日本が、守備を固めたオーストラリアに対して先制したのは、後半も半分以上を過ぎた(20分ハーフ)32分のことだった。キャプテンのFP木暮賢一郎が得点を挙げると、残りの8分間でFP北原亘、FP逸見勝利ラファエルがそれぞれ追加点を挙げて、3-0で勝利した。

 試合後の公式会見で、ミゲル・ロドリゴ監督は「とても難しい試合で、醜い試合になってしまった。もう一つの準決勝と比較すると良い試合だったとは言えない」と語った。

「準決勝の最初の試合はフットサルの試合であり、非常に魅力的な試合でした。あの試合にはフットサルになぜ価値があり、興業となるかが示されていました。スペインやブラジルでは、あのような試合が頻繁に行われています。だからこそ、3000人の観客を試合会場に集めることができるのです」と、タイが延長戦の末に5-4でイランを下した一戦を称賛した後に、自分たちの試合を振り返った。

「前半、われわれのチームは多少、緊張していたように思う。そのため相手の守備ブロックを崩すことができませんでした。動きが足りなかったし、単純なミスからボールを失いました。でも、最もひどかったのはフィニッシュの場面です。3回か4回、決定的なチャンスがあったにもかかわらず、決めることができなかった。これはここ数試合でも見られていることですが…」

「後半も開始直後は前半と同じようなプレーでした。それでも先制したことで、選手たちは少しリラックスでき、普段通りのプレーができるようになりました。ただ、客観的に見ても、勝利に値する内容だったと思います」

 準決勝に勝利した日本は、6月1日にタイと決勝を戦う。タイは0-2のビハインドから王者イランを下した。過去12回のアジア選手権を振り返っても、優勝を経験したのはイランと日本の2か国だけである。しかし、ミゲル・ロドリゴ監督は現在の優勝候補はタイであり、もし、日本が優勝したいのであれば、決定力を高めなければいけないと、警鐘を鳴らした。

「タイを倒すためには、ピッチ上のたくさんのエリアで修正が必要です。その中でもシュートに関しては改善しなければいけません。これが日本の問題点です。これは、判断力の問題です。言い訳に聞こえるかもしれませんが、私たちは無人のゴールにシュートを決めるチャンスを3回も外しました。もちろん。この試合に臨んだ選手たちは張りつめており、緊張もしていたでしょう。少し疲れもあったかもしれません。しかし、フットサルでは常に最高の判断が求められるのです」

「監督にとって、これは取り組むことの難しい問題です。そしてフットボールでは、この感覚を持っている選手、得点を挙げることのできる選手が、高い給料を稼ぎ、価値があるとされるのです。日本の問題は選手たちがフットサルを始めるのが20歳を過ぎてからだということ。この年齢からでは、瞬時に判断して、小さなターゲットにボールを蹴り込むセンスを高めるのは難しい。ブラジルやスペインでは6歳くらいの頃から、こういうことを学んでいるのです」と、スペイン人監督は語っている。

 3大会ぶりの決勝進出を果たした日本は、06年大会以来となる優勝を目指す。

TOP