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F東京加入後、初ゴールのFWエジミウソン「シュート数が多くても勝てない」

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[9.22 J1第26節 F東京 1-2川崎F 味スタ]

 最後の交代枠で、FC東京ポポヴィッチ監督が起用したのは、今季4得点を挙げているFW渡邊千真ではなく、5試合で無得点だったFWエジミウソンだった。その期待に応えたいエジミウソンは、後半43分にMF中村憲剛からボールを奪ったMFヴチチェビッチからのパスを受けると、正確なシュートでゴールネットを揺らした。チームの反撃ムードは高まったが、2点目を挙げることはできず。試合後は「自分のゴールはあったが、勝ちにつながらずに残念」と悔しがった。

 7月にカタールのアル・ガラファから期限付き移籍で加入したエジミウソンだが、約1年半、満足のいく出場機会を与えられていなかった。コンディションが上がらず、試合勘も戻らない中で、9月には左ハムストリングス筋膜挫傷で約3週間、戦列を離れていた。

 23節の広島戦(1-0)以来、3試合ぶりのリーグ戦出場となったエジミウソンだが、チームのパフォーマンスは悲観していない。

「良いサッカーをやりつくし、結果に結びつかなかった。チームは最後までゴールを目指したが、もう少し早い時間帯に決められれば良かった。私たちは17本のシュートを打ち、相手のシュートを6本に抑えたが、サッカーはシュート数が多い方が、勝つわけではない」

 チャンスで確実に得点できるストライカーが、求められている。この試合でJ1通算231試合目の出場を果たし、通算110得点目を挙げたエジミウソンには、大きな期待がかかる。それでも移籍後の初ゴールを挙げたブラジル人は、慎重に語った。

「残念ながらケガをしてしまい、チームに戻ってやっとゴールを決めることができました。今季、残り8試合で何ゴールを取るか考える前に、まずは次の磐田戦(29日・味の素)のことを考えたい。できるだけ多くの試合に出て、できるだけ多くのゴールを決める。それだけです」

 中東に渡ったエジミウソンは、試合に飢えている。敗戦を悔しがっていたが、「多くの人、特に子供たちがたくさん来てくれたことがうれしかった」と、最後にようやく表情を崩した。プレーする機会、サポーターの声援、そして、ゴールを挙げる喜び。一つずつ取り戻してきたストライカーは、目の前の試合に集中し、自身の飢えを満たしていく。

(取材・文 河合拓)

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