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今季ホーム2敗目で仙台の優勝は消滅。新潟はJ1残留に望みをつなぐ

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[11.24 J1第33節 仙台0-1新潟 ユアスタ]

 首位の広島を勝ち点1差で追うベガルタ仙台は、24日のJ1第33節、ホームに17位のアルビレックス新潟を迎え、0-1で敗れている。前半19分、DF金珍洙に先制点を許した仙台は、前線に人数を掛けて両サイドからゴールを狙う。しかし、最後までボールに食らいつく新潟の守備をこじ開けることができなかった。首位の広島はC大阪に4-1で勝利したため、最終節を前に勝ち点差が4となり、優勝の可能性が消滅してしまった。一方、引き分け以下で降格の決まった新潟だが、他会場の結果次第ではあるが、J1残留に望みをつないでいる。

 仙台は前節の鹿島戦(3-3)と同じスターティングイレブンでこの一戦に臨んでいる。一方の新潟は前節の川崎F戦(0-1)で退場となり、出場停止のDF村上佑介に代わりDF坪内秀介がスタメンに名を連ねている。
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 序盤から両チーム積極的に攻める姿勢を見せた。ファーストプレーで仙台は左サイドを崩し、DF朴柱成がゴール前に折り返しを入れる。新潟も直後にFWブルーノ・ロペスがこぼれ球を拾ってシュートを狙い、ゴールを目指した。徐々に試合の主導権を握っていったのは、仙台だった。前半5分には新潟DF金珍洙が中盤につなごうとしたボールをMF富田晋伍が出足の良い守備でカットする。富田はそのままシュートに持ち込んだが、ボールは右ポストを叩き左へ外れた。同12分にも仙台は、右サイドからDF菅井直樹が折り返したボールを受けたMF梁勇基が、PA外からのシュートをゴールマウスに飛ばす。しかし、こちらはGK黒河貴矢の好セーブに阻まれた。

 迎えた前半17分、先にチャンスを生かしたのは新潟だった。MF本間勲のサイドチェンジから右サイドにボールを運ぶと、細かいパス回しからオーバーラップしたMF三門雄大の折り返しを金珍洙がゴールに流し込み、新潟が1点をリードする。このゴール後も新潟はMFミシェウ、FWブルーノ・ロペスが立て続けにゴールを狙ったが、追加点は挙げられない。

 対する仙台も、29分にはDF朴柱成のクロスを、FW赤嶺真吾がヘッドで折り返し、中央に詰めたMF梁勇基がゴールネットを揺らした。しかし、赤嶺がヘッドした時点でボールがラインを割っていたと判断されて、得点は認められない。同35分にも新潟DFがクリアーしたボールを拾ったMF角田誠が、ヘッドで赤嶺につなぎ、赤嶺がゴールを狙う。しかし、GK黒河が股下に飛んだボールに反応し、両足を閉じてブロックした。その後も全体的にはボールを支配した仙台だったが、新潟のブラジル人トリオに速攻から何度かチャンスもつくられ、1点ビハインドで前半を折り返した。

 後半、最初にチャンスをつかんだのは新潟だった。7分、相手の守備が整う前にFKで試合を再開させると、DF鈴木大輔がゴール前で決定機を得る。しかし、フリーの鈴木はゴールにボールを蹴ることができずに、追加点を挙げるチャンスを逃してしまった。同8分には仙台が負傷していた左SB朴柱成を下げ、DF内山俊彦を起用する。その2分後には新潟もMFアラン・ミネイロを下げて、MF藤田征也をピッチに送り出した。

 1点を追う仙台は後半21分、梁勇基がドリブルでボールを運び、シュート体勢に入ったところでミシェウに倒されてFKを得る。このFKの前に仙台はDF渡辺広大を下げて、MF関口訓充を送り込む。梁勇基のFKは壁に当たって跳ね返ったが、角田を最終ラインに入れて、より攻撃的な陣容に変更した。

 同24分に新潟の柳下正明監督は、警告を受けたミシェウに代えてFW矢野貴章を送り出す。ミシェウはベンチで交代に不満を露わにしたが、その2分後には新潟が自陣からのロングカウンターからチャンスをつくる。しかし、矢野がPA内でDFをかわして放ったシュートは、GK林卓人の正面を突き、2点目が挙げられない。

 後半30分、仙台は右サイドから太田が折り返したボールに関口が詰め、シュートを放とうとするが、体を張って守る新潟に防がれてしまう。同30分に仙台の手倉森誠監督は最後の交代枠を使う。赤嶺を下げて、FW中原貴之をピッチに送り出した。その直後、新潟に決定機が訪れる。相手のバックパスをカットしたブルーノ・ロペスがGKと1対1になり、右足で狙いすましたシュートを放つ。しかし、ボールは右ポスト内側を叩いた後に、ゴール左へと外れて行った。同36分にも新潟はブルーノ・ロペスから藤田にパスが出て決定機を得るが、藤田のシュートはGK林に防がれる。

 さらに後半40分にも新潟はブルーノ・ロペスがドリブルでPA内に侵入。相手DFに倒されると、副審はファウルをアピールしてフラッグを振ったが、村上伸次主審はファウルを認めず、新潟にPKは与えられなかった。これに抗議した新潟の柳下監督は退席処分が告げられてしまう。

 その後も仙台は6分間のロスタイムを含め、新潟ゴールを目指し続けた。しかし、最後まで新潟ゴールを割ることはできず。10節の清水戦(0-1)以来となる今季ホーム2敗目を喫した仙台の優勝を目指す挑戦は終わった。

(取材・文 河合拓)

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