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失点はリーグ2番目に少なかった新潟、ロンドン五輪代表DF鈴木大「最高の終わり方」

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[12.1 J1第34節 新潟4-1札幌 東北電ス]

 失点数だけを見れば、J1残留は当然とも言えた。最終節で逆転残留を果たしたアルビレックス新潟。今季34試合で34失点という数字は横浜FMの33失点に次ぐリーグ2番目の少なさで、優勝した広島と同じだ。しかし、その一方で得点はわずかに29。最下位の札幌に次ぐワースト2位の数字だった。

 ロンドン五輪代表で守備の要であるDF鈴木大輔は「チームとしてのディフェンスに関しては手応えを感じながらずっとやっていた」と指摘する。だからこそ「チームとしての守備がよかったことであまり気にならなかったのかもしれない」と、必要以上に残留争いを意識することなく、平常心でプレーを続けることができたのだという。

 残り2試合で残留圏まで勝ち点5差に開いても「開き直るというか、他を考えないでいた。勝つしかないし、1試合1試合、目の前の試合に向けて準備して、1日1日の練習でアピールする。そういう自分がやってきたスタンスを貫き通せた」と胸を張る。

 それでも、降格危機に直面している重圧やプレッシャーがまったくなかったわけではない。「残留が決まってみんなが喜んでいる瞬間、ホッとしたので、やっぱりプレッシャーは感じていたのかな」と本音も漏らした鈴木大。今年はロンドン五輪に出場したU-23日本代表の活動とも並行してシーズンを戦い、「切り替える時間が少なかった分、難しさも感じた」という。

 ロンドン五輪では44年ぶりとなるベスト4進出を果たしながら準決勝、3位決定戦と連敗し、メダルをあと一歩のところで逃す悔しい結末だった。しかし、今度は最後の最後で奇跡の逆転残留という最良の結末。「1年間の公式戦の終わり方としては最高の終わり方ができたと思う」と、激動の2012年を笑顔で振り返った。

(取材・文 西山紘平)

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