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とぼけるザック、コンフェデで対戦する母国・イタリアを「どこか忘れた」

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 日本サッカー協会は19日、A代表など日本代表の各カテゴリーの2013年スケジュールを発表した。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は2013年に向け「目標はまずW杯出場の切符をいち早く手にすること」と意気込み、勝てば5大会連続のW杯出場が決まる3月26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦での必勝を誓った。

 ヨルダン戦で勝ち点3を手にし、W杯出場が決まれば、その後のマッチメイクもスムーズに進む。来年9月、10月、11月には各2試合ずつ国際Aマッチデーが設定されており、今年10月にフランス、ブラジルと対戦した欧州遠征のように強豪国との対戦も可能になる。「(W杯出場決定まで)あと一歩のところとはいえ、まだ決め切れてはいない。なるべく早く決め切り、その後のチームのプランを考えていきたい」と語った。

 来年6月にはコンフェデレーションズ杯も控えている。グループリーグではブラジル、イタリア、メキシコという強豪国との3連戦が待つ。指揮官は「ここ数回のW杯のチャンピオンがほとんど参加してくる。世界のトップチームが出場する大会に出られるということでワクワクしている」と、待ち遠しい様子だ。

 グループリーグでは自身の母国でもあるイタリアとの対戦が初めて実現する。ザッケローニ監督は「タフな戦いが待っている。ブラジル、メキシコ…3チーム目はどこか忘れたけど」とジョークを飛ばし、報道陣を笑わせたが、イタリア戦に対しては並々ならぬ思いがあるはずだ。

 ここまでのW杯アジア最終予選5試合を振り返り、「13得点、2失点で、失点のうち一つはPKで、一つはFK。セットプレーからしかやられていないし、バランスはある程度取れている」と指摘。「今後、さらに強くなるために、チームとして勇気を持ち、アウェーでも物怖じせずやっていくところを成長させたい」と語る指揮官は、チームの課題の一つに決定力を挙げた。

「チャンスの数とゴールの数が比例しない。決定力にさらに磨きをかけたい」。決定力不足の要因としては「現時点でチャンスを数多くつくるチームになっているため、選手の頭に『いつかチャンスが来るだろう』という意識があるのかもしれない」と指摘し、「その意識は、自分の中にも少しある」と認める。

「今後、世界の強豪と戦っていくうえで、今ほどチャンスを演出できなくなるときが来るかもしれない。少ないチャンスをものにしないといけない状況が来るかもしれないし、そのための準備をしたい。技術というより慣れの問題だと思う」と語り、選手の意識改革を通じて決定力アップを図るつもりだ。

「W杯アジア最終予選、コンフェデレーションズ杯。タフな2013年になるが、このチームのことを信頼している。2013年も期待ができるという気持ちでいる。大切なのは2013年も引き続き成長すること。このまま右肩上がりの成長を続けていきたい」。2014年のブラジルW杯から逆算し、チームづくりを考えるザッケローニ監督。2年後のW杯で成功をおさめるためにも、ビッグゲームが続く2013年は重要な試金石となる。

(取材・文 西山紘平)

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