[3.3 J1第1節 柏3-1川崎F 柏]

　スコア通りの快勝だった。3日にJ1開幕戦を行った柏レイソルはホームで川崎フロンターレと対戦し、3-1で勝利を収めた。CKを直接決められて失点はしたものの、柏の守備は機能していた。新潟から新たに加入したDF鈴木大輔は、最終ラインで安定したプレーを披露した。試合を終えて「やっていて崩されている気はしなかった。守備としてはすごく良かったと思いますし、攻撃にもうまくつなぐことができて、カウンターから点を取ることができたので、非常に良かったと思います」と、会心の表情を見せた。

　試合を重ねることで、連係も高まっていると鈴木は言う。「最初の方はコンビネーションがうまくいかないことが多かったですが、段々、特徴も分かってきましたし、フォーメーションの変化にも慣れてきたので、個人の最後のところをもう少しずつ上げていければいいのかなと思います」。鈴木の言葉どおり、柏の守備は、4バックと3バックを併用しながら守っていた。川崎Fが3トップにしたキックオフからは4バックで戦い、2トップに変更したときはDFキム・チャンスが高い位置を取り、3バックに変更。流動的に形を変えながらも、常に一人がカバーできる状況をつくって、川崎Fの攻撃を抑えていた。開幕前から3バックシステムにも取り組んできた効果を、鈴木は強く実感する。「今日も柔軟性を持ってフォーメーションを変えながら、相手の前線の様子を見ながらできたので、その辺は生きていると思います」。

　後半9分には危ない場面で、渾身のクリアーを見せた。数的不利の中で川崎Fが左右をワイドに使った速攻を仕掛けてきた。右サイドからFW小林悠にクロスを入れられたが、グラウンダーのボールがFW矢島卓郎に渡る直前で、鈴木が防いでいた。この場面を振り返り、「谷くん(大谷)もダッシュで戻ってくれてニアのコースを消してくれていたので、僕はその後ろのカバーをすればよかった。守備の意識としては良かったかなと思います」と、連係への手応えを口にした。

　良い感触をつかんでいる一方で、まだ満足はしていない。「最後のところでしっかりブロックしていますし、自分としても相手の攻撃を予測できています。だから、ああいう風に最後のところで止めることができていると思いますが、あそこで取るよりも、もう少し高い位置で取れた方が良いと思うので、その辺はもう少し修正していきたいかなと思います」と、さらに守備を整備したいと話している。

　個人的にも、この開幕戦に懸ける強い想いがあった。新潟に在籍していた昨シーズン、鈴木は開幕戦で川崎Fと対戦し、0-1で敗れていた。その後、最終節までJ1残留を争う苦しいシーズンを過ごすことになったからだ。「試合前から、去年の開幕からフロンターレに負けていることを意識しました。しっかりリベンジというか、今年は勝ちたいと思って試合に入ったので、結果が出てすごく嬉しいです」。Jリーグ開幕戦を良い形で終え、鈴木は充実の表情でスタジアムを後にした。

(取材・文　河合拓)