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俊輔ら育てた佐熊監督退任の桐光学園は鈴木新監督の下、プレミアリーグ初挑戦

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 高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 プレミアリーグへ昇格した桐光学園高(神奈川)は、86年から指揮を執り、元日本代表MF中村俊輔(現横浜FM)やMF藤本淳吾(現名古屋)らを育てた佐熊裕和前監督が国立4強へ進出した1月の全国高校選手権後に退任を決断。選手たちには今月7日に正式に伝えられたばかりということだが、鈴木勝大新監督がこの日「全力で戦い抜きたいと思います」と初挑戦となるプレミアリーグへの抱負を語った。

 現役時代、中村俊輔の1つ上の代で桐光学園の主将を務めていた鈴木新監督は卒業後、国士舘大を経てアビスパ福岡、サガン鳥栖などでプレー。熊本のルーテル学院コーチから昨春母校サッカー部のヘッドコーチへ就任していたが、それからわずか1年弱で名門の指揮を執ることとなった。ただ、「このタイミング、このスピードということは予想できなかったことですけれど、私自身、母校ということで、この職を心待ちにしていた部分もありましたので、今は期待の方が非常に大きくあります」と力を込めた。

 鈴木新監督は昨年も2012年度 JFA公認S級コーチ養成講習会を受講していた佐熊前監督が不在の期間にチームを指導してきただけに、佐熊前監督が「次のステップ」へ進み、指揮官が交代することになったことについての選手の反応・影響も今のところは大きくない模様。「懸念していたんですけど、思ったよりも練習にも集中してくれている」という。今後は「一番はプレイヤーズファーストで、日本を代表するような選手がウチから俊(中村俊輔)にしても、(藤本)淳吾にしても出ていますので、そういった環境でも堂々とできるような選手と同時に、全員が日の丸をつけるということは難しいので社会に出ても通用するような選手づくりをしていきたい」と“人づくり”を第一に力を注いでいく。

 昨年のプリンスリーグ関東1部では最終節(対横浜FMユース)、後半アディショナルタイムの劇的同点弾で優勝し、北海道大谷室蘭高とのプレミアリーグ参入戦2回戦ではPK戦15-14という死闘を制して今回、初の全国リーグの舞台に立つ。開幕へ向けて現在は積極的にボールを奪いに行くサッカーに取り組む日々。プレミアリーグを皮切りに、総体、選手権と続くシーズンの中、桐光学園は恩師である名将からバトンを引き継いだ新指揮官の下、どのような1年を送るのか。新生・桐光学園が新たな体制で、新たな挑戦をスタートさせる。

(取材・文 吉田太郎)

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