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3冠にも満足しない名古屋FP森岡「嬉しい気持ちもあるけれど…」

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 史上初の3冠達成にも、表情は晴れなかった。名古屋オーシャンズは第18回フットサル全日本選手権で、初優勝を遂げた。Fリーグ、リーグ杯と合わせて、前人未到の3冠を達成した。しかし、日本代表として昨年のフットサルW杯でも活躍したFP森岡薫は、「嬉しい気持ちもあるけれど、物足りないところもある」と、心境を吐露した。

「(前後半の)40分でも、延長でも勝ち切れなかった。PK戦はどちらに転んでもおかしくない。GKがよく止めてくれた。優勝できたことは嬉しいですが、素直に言えば、PK戦まで行かずに勝ちたかったですね」。そう言葉を続けた。

 試合内容自体は、悪くなかった。前日の準決勝、湘南戦では6-2で勝利したものの、思うようにパスがつながらない場面があった。その要因について、「選手間の距離が遠すぎたんですよね。リカルジーニョに1対1をさせたことは良かったけれど、そこでもっと近くに顔を出してあげれば、選択肢を広げてあげられた」。そう反省し、名古屋の選手たちは決勝に臨んでいた。

「今日の試合で良かったのは、球離れが早かったこと。一人ひとりが、個人で何とかしようとし過ぎると、昨日のように苦しくなる。球離れを早くして、相手に囲まれないようにできたことは良かった」と振り返る。課題を克服できた理由については「昨日の反省もありますし、やっぱり監督がベンチにいると引き締まります。また、相手がフウガということもありました。カウンターが強いチームですから、簡単にミスをするとやられる。そういう面では、相手を見て戦いました」と説明する。

「ただ、今日はフィニッシュの精度が、あまり良いとは言えなかった」。そう振り返る森岡は、再びPK戦までもつれたことを悔しがった。「見ている人は盛り上がったと思うけど、僕らは優勝しないといけません。楽なものではないし、いろいろなプレッシャーの中で戦いました。良い試合はできたし、内容も悪くなかった。でも、決めるところで決められなかったことが、(PK戦までもつれた)この結果につながった。決めていれば、僕自身の気持ちも変わっていたと思う。前回は大洋薬品(名古屋の前身)のときに優勝しましたが、ああいう形で終わりたかったですね。PKまで行かずに」。

 誇り高きストライカーは、「連覇できるように、また来季も頑張ります」と、表情を緩めることなく、ロッカールームへ戻って行った。

[写真]勝ち越しゴールの瞬間、ガッツポーズを見せた森岡だったが…
(取材・文 河合拓)
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