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暫定首位も笑顔なし…ノヴァコヴィッチ「残留争いしたことを忘れてはいけない」

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[4.26 J1第8節 柏0-4大宮 柏]

 この日の主役は、もう1人の“助っ人”だった。先制点と3点目の2得点を決めた大宮アルディージャのFWノヴァコヴィッチ。これまで3試合連続得点中の“相棒”FWズラタンの影に隠れていたが、この試合のヒーローはノヴァコヴィッチだった。

 この“スロベニアン”ツートップは、現在リーグ最強と言っても過言ではない。チーム3点目となるPKを奪取した場面では、ツートップで柏DFを崩して得たPKだ。どちらかが空けたスペースにもう一方が飛び込むなど、抜群のコンビネーションを見せていた。「彼とは代表チームで長くプレーしているので、言葉を交わさなくてもプレーの特徴はよくわかっている。自分たちのところにボールがくればいいカタチが作れる」。ノヴァコヴィッチは旧知の仲であるズラタンとのコンビに、絶対の自信を覗かせた。

 しかも、ノヴァコヴィッチとズラタンの仕事は“点取り”だけではない。外国人FWにありがちな“守備をさぼる”選手ではなく、ツートップが揃ってしっかりと守備もこなす。この試合でも、自陣まで下がって守備をしたり、相手陣内深くまでプレスをかけたりと、実にフォアザチームに徹している。

「(大宮の好調は)日本中が驚いているでしょうし、自分たちでもある意味信じられない部分がある。そういった中で、常に足元を見ながらやっていかなければならない。自分たちが昨年まで残留争いをしていたことを忘れてはいけない」と4-0の大勝でもノヴァコヴィッチの顔に笑みはなかった。19戦無敗というリーグ記録を打ち立て、暫定ながら現在首位。そんな絶好調期にあっても、世界を知るストライカーの中に慢心はない。

(取材・文 奥山典幸)

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